第8話 試験勉強のようにヤマを張ろうとしてたよ

 リサーチの時、本当に冒頭部をナナメ読みって感じで週間と日間のランキング上位30作ほどに目を通しただけなんで、正直、どんな内容がウケているのかとかは読み取れてないと思います。


 開始年月日で最大10年ほども開きがありますんで、ランキング作品で流行の把握が出来るとか思ったのは考えが甘かったなと反省しきりです。コツコツと積み上げてこられたポイントですもんねぇ。


 近年22年と23年発表作品ばかりを読み比べた時の印象だと、ひと時よりもさらにノンストレス展開を希望する空気が強まっているような感じもしました。聞いていた通り、展開が早くなっているということだけでなく、断罪イベントの中身もかなりソフトになっているなといった印象を受けました。主人公が受ける断罪はほとんどイチャモンレベルだし、責め立てられる展開自体も割とあっさり終わってすぐに逆転ザマァが来てました。キモチイイとこを早く読ませろと言わんばかり。


 断罪イベントって長引くとストレス溜まりますもんねぇ……という感想。


 断罪の後の逆転ザマァの展開で、きっちりスカッとさせてくれた作品はなるほど評価も高くて、感想とかも桁違いに貰っている様子でした。


 このあたりから分析して、「悪役令嬢」系の話に読者が求めている要素というのは、逆転スカッと展開なんでしょう。それと女性読者さんが求めるのはスパダリ要素だというのは、漫画サイトで人気作を眺めていても如実に現れてました。(タブレット購入したんですよー、設定で四苦八苦した後しばらくニヨニヨと眺めてました)


 悪役令嬢モノは男性向けで書くか女性向けで書くか、これ、男性向けで書いても割と女性読者は読んでくれるだろうと見込めますが、逆は成り立たないと思うんですよね、スパダリ愉しめる男性読者はいない。(ド偏見)


 結局のところ、リサーチして見えてきた傾向と対策というヤツの結論は「何でも好きに書け」でした。ジャンルにおける共通規格の型枠っぽいモノはあるにせよ、そんなのはミステリーでもお馴染みですからね。


 非常にザックリとしたその型枠、ジャンルをジャンルたらしめる最小限の規則がありますと言った程度のもので、それ以外はすべて自由裁量に任されているといった感じのリサーチ結果でした。これこれこういう土台の上に作れば推理小説になるよ、異世界ファンタジーになるよ、といった程度の簡素なもの。


 かつてのような「テンプレートに則って」という時代はもう終わっているようでした。最低限、ジャンルの規則に沿った土台を踏襲しつつ、どれだけ独自色を出せるかという、まったく他の創作物と変わらない環境に成長してましたね。テンプレートと言われた時代がほんの十数年前なので、驚くべき進化です。


 なので、リサーチをしたところであまり利はありませんでした。受験勉強のように出題範囲のヤマを張って狙って書こうと思っていたんですが、意味がなくなってしまっていました。「まずはこの道筋を通って次はこのイベントを、」といった「今流行っている手順」というものは存在しないことが解ったので、ヤマを張ること自体が不可能だったという結論ですね。(必要事項という要素はあるモヨウ、)


 プロット上の……チャート方式と言われるヤツを採用してますんで、その各種イベントですね、これはある程度出揃っていたんです。(チャート方式はゲーム制作とかを調べてもらえばどういう方式かは出てきます)


 後は、この「悪役令嬢モノ」と言われるジャンルで今流行っているテーマは何かということが知りたかったんですが、新旧ごちゃ混ぜでランキング上位に並んでいるところを見るとあまり影響はないように感じます。ブームというか悲劇が嫌われるとかの流行があるのかと懸念していたんですけども。


 統括的には何をキーワードに一貫性を持たせるのか? 何をお出しするのか、という部分ですけど、これは私、エンタメ全振りで行こうと思ってます。

 スカッと成功譚ですね。夢と希望をお届け、というヤツで行くことにしました。私自身が今、そういうの読みたいということで読みたいヤツ書こうと思います。


 合わせて中世ヨーロッパ資料漁り中。(手持ちじゃちょっと足りないっぽい)

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