第4話 目指す場所その3【人間である】

自在、解脱と書きましたが、これを支える大切なことがあります。


それは人間であるということです。


修行的になると、人は人間であることを辞めようとしがちに思います。


私もそうです。


人間を超えようという、愚かな誇大妄想に取り憑かれて、それが出来ずに落胆し、悩み、自分は無価値なのではないかとさえ思ったりします。


私達は人間です。


どこまで行っても人間です。


しかしながら、人間であることは侮り難い。


人間であることは難しい。


周りを見渡した時、自分自身の内を眺めた時、人間性の欠落した人間を認めたことがあるはずです。


今の世界は人間性を失いつつあります。


そんな世界の中で、人間であることは、


感動的です。


人間を人間足らしめる心や行動は、人間の心を震わせます。


神の心も振るわせます。


聖書にはこうあります。


ノアは全き人であった。

神はノアに心をとめられた。


完璧に人間だった。だから神はノアに心をとめた。


険しい道を行く時に、人は時として人間性をかなぐり捨ててしまいます。


その方が、心が楽だからです。


この道を行く時に、人間であれ。


それがすでに感動の物語です。

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