第2話 目指す場所その1【自在】

 観自在、というものがあります。

 観自在菩薩の観自在です。



 自在に観る、とはどういうことか?


 それは何でも見れるということではありません。


 自在に観るとは、観ないことも、観ることも出来るということです。


 観るということを完全に掌握しているという意味です。


 観るべきものを観て、観るべきでないものを観ないという意味です。


 私達は自在というと、どうしても「出来る」「する」という何事かの動作をイメージしがちです。


 しかし自在というのは「出来ない」「しない」ことも含んでいます。



 私達が小説を書く時、内容を考えます。


 その時よく問題になるのが、売れる話、人気の話を書く書かないという問題です。


 書くか、書かないか、本当はそういう問題でありません。


 私達が目指すべき場所は、自在に書けるということです。


 書くことも、書かないことも、自在の中に含まれています。


 自在に達すれば、売れることも、売れないことも自在です。



 売れることは出来ないが、売れない小説を書くことは出来る。



 これは自在ではありません。



 まだまだ道半ばですが、私はこの「自在」というものを目指しています。


 自在に近付くほど、様々なことが自由になり、同時に責任が増していきます。



 自在という観念をしっかりととらえて、自分か往くべき道のヒントにして頂ければと思います。


 

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