第14話あぁ、愛しの殺人鬼さま

立花栞に拉致されてから。三か月がたった。あの後、私の

推しが、警察の発砲した。拳銃で死んだ。その最後は

一瞬の出来事だった。推しの死体と、私を拉致した。

立花杏のお兄さんの立花栞の死体。その立花栞を

殺した。遠藤と言う。立花杏の高校の教師の死体が

警察によって。速やかに回収された。私は、涙も

流せず。ただ、推しの亡骸を見つめる事しかできなかった。

その後、おそらく、捜査一課の刑事が、私の所に近づき。

「佐野一葉さんだね。君を、立花杏の殺害の容疑で現行犯で

 逮捕します」そう言って、私のか細い両腕に手錠をかけた。

 その後、私は、少年院に送られ。今は、一人。監獄の中で

 推しへの思いに浸っていた。「ねぇ、あんたさぁ、何で

ここにきたの?」同室の私と同い年ぐらい子が、私に話かけてきた。

「私は、人を殺したの」そう言うと「マジで、誰を殺したの?」

彼女が、また、質問をしてきたから。私は「たまたま、見かけた。

私と同じぐらいの女子高生の子を。包丁でグサッって感じで」

気怠そうに、私は話す。「マジで・・・・・・いや、さすがに

それはないかもー」へらへらと、笑う。彼女に対して、私は

「そうだよねぇ。結局、私は、推しに近づく事もできなかったから」

「どうゆう意味?」また、質問してきた。私は、大きめの「はぁー」と

溜息を吐き。私の推しの事を話した。「あなたには、推しとかいる?」

「推し?あぁ~アイドルとか、アニメのキャラクターとかの奴?」

「それでもいいけど・・・・・・」「いなかな。そこまで、私は

熱狂的にはなれないから」自嘲気味に話す。彼女の顔が、どこか

懐かしさを覚えた。「私は、いるよー推しが」「誰なの?」

「私の推しはねぇ・・・・・・どうしようかなぁー」「いや、もったいぶらないで

教えてよー」「そうだよねぇ、ごめん。私の推しは、少女連続殺人事件の犯人なの」

「えっ⁉うそでしょ・・・・・・」「うそじゃないよ」「マジで・・・・・・」

「マジだよ。マジ中のマジだよー」「そうなんだ・・・・・・」少し、引いていた。彼女の事を気にせず。私は、推しの事を話す。「私ねぇ、何回か。自殺を試みた

事があって・・・・・・でも、どれも、些細な事で辞めちゃて・・・・・・」

「例えば?」「例えば・・・・・・首を吊ろうとした時は。吊るした小枝が

細すぎて、吊ってる最中に折れそうだなぁーおもって。辞めたり―。後はー

一酸化炭素中毒で死のうと思ったけどー部屋中が煙臭くなるのが嫌で、辞めたとか

かな」「何、それ・・・・・・」「だから、私、一人の力じゃ死ねないなぁーと

思っていた時にねぇ。テレビで、少女連続殺人のニュースを見て。興味本位で、ネットで、事件の事を調べてらーネットの裏掲示板に、犯人の画像が乗っていてねぇ。

それを見た瞬間。私の胸が、ときめいたの」「はぁーそうですか・・・・・・」

「それから、私は、その殺人鬼の推しになったの。でね、私、ある事を思いついたの」「何を思いついたの?」「自分では、死ねないから~どうせ、死ぬならー推しの

殺人鬼に殺されたいかなーって、思ったの」「それは・・・・・・すごい事を

思いつくねぇ~」彼女は、私の独白を聞き。私の考えを称賛した。「あぁ、でも

その殺人鬼って。確か・・・・・・死んだんじゃなかったけ?」そう、私の推しは

もう、この世にはいない。それは、私の目の前で。推しは、警察の銃で死んだから。だから、私は、今ここにいるのだから。私だけ生きて。自分の罪を償う為に。

こんな地獄の底みたいな所にいる。「何か、ごめんね」「何が?」「私ばかり

長々話しちゃって・・・・・・」「別にイイから。私が聞きたいから」私は、同室の

子と。謎の友情が芽ばいたと思っていた。「あぁ、あなたは何をして。ここに

入ったの?」今度は、私が、彼女に聞いてみた。すると、彼女は、立ち上がり。

私を見下ろしながら。隠し持っていた。ナイフを、私の胸に刺した。

「えっ⁉」驚く。私に、彼女が「私は、友達の仇を討つ為に。わざと、ここに

 入ったの。そう、あなたが殺した。立花杏の仇を討つ為にねぇ」にこやかに

微笑む。彼女の顔が目に焼き付く。あぁ、これで、私も死ねる。でも、どうせ

殺されるなら。やっぱり、推しに殺されたかった。辺りに暗闇かかり。私は

刑務所の中で、人生と推し活を終わらせた。

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