第5話 戦の始まりだ
テントを出た俺は、剣を抜き眼前に持って来る。
決して良い剣では無さそうだ。
「
日本で生きていた時とは全く異なる顔立ちだ。
黒髪に赤眼、女性と
日本で生きていた頃から
「……本当に、俺は産まれ変わったと言うのか。別の人間として、産まれ変わる。……成る程、俺がして来た
だが誰が言ったか、この世は――神に選ばれなかった
天国へ行く選ばれた魂になる試練の場である、と。
それならば
つまり――俺は
悪の得を積んだからには、人間として来世でも試練を与える。
魂を
徳は徳でも、道徳を積み重ねた立派な
「……しかし――
冷静に戦場で起きた事、そしてジグラス王国の戦力を思い返せば――どうにかなる。
有能な指揮官がいれば、滅亡を遅らせる事ぐらいは出来る。
もうじき冬が来る。
退路が塞がれる
危惧するべきは多くの砦へ兵と物資を運び込まれ、冬でも攻められてしまう事態だ。
「護るべき民やテレジア殿たちを守る為、指揮官に
冷たい風が吹く中、空を見上げる。
無学で学問への
「――ならば、大きな
既に作戦も何もあったもんじゃない。
準備が整ったら、突撃を繰り返していただけ。
実際、それで潰される状態だ。
「
胸の
その結果、犠牲を減らす為に
少なくとも、現指揮官よりは余程な。
「どれ……おっちゃんも頑張るか。この身体は15年なだけ合って、動きの軽さは最高だ。……筋力と剣、魔力は物足りんがな。しかし、それも鍛錬のしがいがある。はははっ!」
竹を割ったようだとか、
治療を終えたことを直属の上官に告げ、俺は持ち場に戻る。
陣の中は――まるで通夜のようだ。
それもそのはずか。
相手方3万5千以上の兵に対し、こちらで闘えるのは残り6千程度まで削られている。
完全に劣勢。
ここまでの連戦連敗もあり、戦況は絶望的で士気も低い。
「この士気では、聖女を生み出して希望としたくもなる、か。……
しかし相手も、この一回の
幸か不幸か。
今は半壊の我がジグラス王国軍の止めを誰が刺すかで、戦功の奪い合いが生じている様な
総大将のいる本軍を護るように陣を
背後に砦はなく王都の間近まで後退しており、最早迎え撃つぐらいしか打つ手はない。
だからこそ――。
「――ラキバニア軍が……ゾリス連合国軍が動いたぞ! 全員、武器を持て!
戦は単調なものになる――。
―――――――――――
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