天才の作り方

 「やあ。」

「・・・ん?どこですか、ここ。」

「ここはね、僕たちの組織が管理してる場所。」

「組織って・・・。売られたんですか、私。」

「いや?売られたってことではなくて・・・。選ばれた。が近いですね。」

「・・・選ばれた?何にです?」

「天才です。」

「・・・はい?」

「天才です。」

「・・・聞こえてます。」

「なら良かった。」

「天才って、どういう意味ですか?」

「言葉の通りです。」

「凡人と天才の天才ですか?」

「あ、そうです。話が早いですね。」

「いや、理解は追いついてないです。」

「・・・あら。」

「何なんですか、この状況は。」黒服の男性が八人。真っ白な部屋で、私だけが椅子に座っている。一人背が低く、線の細い金髪の少年が私に話しかけている。

「んー、説明むずかしいですけど、あなたは天才になって。そして、時代の流行を作ってくださいってだけですね。そこに我々、組織すべてが全面的にサポート致します。」

「うん、わからん。」

「あちゃー。」

「そもそもの話、私天才じゃないですよ。」

「ええ、それで大丈夫。」

「あと、時代は天才を求めてない。」

「ああ、やっぱり。分かってるんですね。」

「へ?」

「天才の条件っていうのが、まずその二つを理解していることです。」

「・・・はあ。」

「この時代、短命とわがままが天才の証明であった過去と比べ大きく変わっていて。まず、田舎に住んでいて、自己肯定感が低く、友人が少なく、学歴も無い。そして、とてつもなく足が汚い。これが現在の天才の条件です。」

「・・・なら、凡人でいいです。」

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