第16話クラスの眼鏡女子に出会う

あの日から、俺の頭にはあの言葉で埋め尽くしていた。

「私は、女王バチの使いだよ」翡翠色の瞳の謎の女が

放った。その言葉が、頭から離れない。「『私は、女王バチの

使い』って。どう言う意味だよ・・・・・・」自分の頭を

激しく掻きだし。ただでさぁ、ボサボサの髪が一段と乱れていく。

結局、あの女の言葉の意味が解らず。トボトボと学校に向かっている。

「あ・・・・・・の・・・・・・おはよ。京谷くん・・・・・・」

俺の背後から、小鳥のような小さな声が聞こえた。「おぉ‼おはよ

詩ノ咲さん」小鳥のような小さな声の彼女は、俺と同じクラスの

詩ノ咲ミナ《しのさきみな》。ボブショートの黒髪と黒色の瞳が

眼鏡のレンズ越しでもよくわかる。詩ノ咲さんは、クラスでも大人しく

昼休みに、一人で食べるぐらい。ぼっち・・・・・・。いや、一人で

いるのが好きなだけの。大人しい女の子なのが、俺の彼女へのイメージ。

「京谷くん。今日は、いつもより、早いね」「えっ⁉」「いつも、ギリギリに

 教室に入ってくるから・・・・・・」そう、俺はいつもギリギリになって

 教室に入る。理由は、いくつもあるが・・・・・・まぁ、強いて言うと

 家から、学校が近く。大体、歩いて。10分で、学校に着いてしまう程の

 近さだ。だから、俺はいつもギリギリで登校していたが。今回は、いろいろと

 考えたい事があって。いつもより、早めに家をでた。実際は、そんなに

 早くはないが。俺の中では早いほうだ。それを詩ノ咲さんは、気づいて

くれた。俺が、いつもより早く。登校している事に気づくなんて。

 俺は、軽く。詩ノ咲さんに、挨拶をして。詩ノ咲さんの歩幅に合わせながら

 歩いた。「ごめんね。私の歩くの遅くて・・・・・・」「いや、そんなの

 気にしなくてもいいよ」詩ノ咲さんは、俺に申し訳なさそうに頭を激しく

 上下に振り出し。まるで、赤べこみたいだと思うぐらい。激しかった。

「そんなに、頭を上下に激しく振ると、首が取れるよ」俺は冗談風に言う。

「こんな首が取れるぐらいなら。それでもいいです・・・・・・」俺の

言った。冗談を受け止める。詩ノ咲さんの真面目さ。「いや、大丈夫だから。

だから、そんなに謝まないで。あと、首が取れるのは大問題だから」

「うん、ありがとう。ところで、何で、今日は早いの?」「あぁ!

いや、ちょっと考え事をしたくて・・・・・・いつもより、早めに家を

出たからさぁ・・・・・・」「そう・・・・・・なんだ・・・・・・」

気まずい雰囲気が二人の間に流れる。「はっ‼ごめんなさい。気まずい

感じのだしちゃって・・・・・・」「いや、だから。大丈夫だって・・・・・・」

再び、詩ノ咲さんが謝り。(しかも、また頭を上下に激しく振っていた)

でも、このやり取りが楽しくて。俺はつい笑ってしまった。「どうしたの?」

俺が、突然笑うから。心配で、詩ノ咲さんが声をかける。「あっ、ごめん。

キモいよね。男子高生が、突然笑うから」「ううん。大丈夫だよ」詩ノ咲さんが

否定してくれた。俺は、一度。大きく「はぁー」と深呼吸をして。今、俺の頭で

整理できていない。疑問を隣にいる。詩ノ咲さんに話す事にした。「ねぇ、

詩ノ咲さんに聞いてほしい事があるんだけど・・・・・・いいかな?」俺が

尋ねると。詩ノ咲さんは「私で、良ければ・・・・・・」と詩ノ咲さんから

了承を得た。俺は、再び。大きく息を吐き。詩ノ咲さんの顔を見つめ。

話だした。この言動が、俺の頭の中の整理できない。あの謎の女のヒントを

解く。道筋に繋がるなんて。この日、詩ノ咲さんに出会えってよかった。

でも、よく見ると。詩ノ咲さんって、眼鏡を外すとめちゃくちゃ美人さんだよなぁー。そんな事を思い。俺は、詩ノ咲さんに、話を聞いてもらう。この女王バチの

使いの意味を少しでも、俺がわかるようになる為に。

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