第9話富田藍は目撃する

あの晩。幼馴染の京谷正夜に、フラれて。今までの関係が

終わりを告げた。あの悲しい夜の事を私は思い返していた。

なぜ、あんな事をしたんだろう。自分に、自分を問いただす。

すべては、あの時の事だった。あの時、私は、所属している。

演劇部の全国高校演劇大会に出場する為。大会に出す。

演目会議をしていた。私は、部長として。他の三年生を

中心に話し合いをしていた。それは、あまりにも白熱しすぎてしまい。

気づくと、夕方5時を回っていた。「うそ‼ごめん。私、そろそろ

帰らないと・・・・・・」今日は、父も母も、仕事の関係で

家に帰ってこれないから。夕飯を夕方のタイムセールを狙って、

確保しなければいけない。私は、自分のバックを急いで、持ち上げ。

小走りで、部室を後にした。廊下を急速で、走りながら。進んでいると

教室で、うたた寝をしている。正夜の姿を見つける。「あぁ‼正夜だー」

部活に来ないで、教室で寝っているとは・・・・・・。これは、おしおきが

必要だな。私は、正夜が起きないように。教室に、入って。正夜を脅かそうと

試みようとした。だが、私が正夜の教室に入ろうとした。その時、私より

先に、教室に入っていこうとしている。人物を見つけ。足を止める。

その人物は、何の躊躇いもなく。教室に入り、正夜が寝ている。席の所に歩みよる。「あの子・・・・・誰だろう?正夜と同じクラスの子じゃないよね・・・・・・」その人物を見つめる。私の行動は停止した。あの人物の事を

考えていた。覚えもない子が、正夜になんのようだろう。私は、しばらく

その子の行動を観察する事にした。しかし、それは間違いだと思う。出来事が

目の前で起きた。「えっ⁉」私は、息を飲んだ。あの、正夜の口に近づけ。

正夜に、キスしたのだ。その相手を私は見た。けど、強い夕陽の光のせいで

一瞬しか。顔は見えなかったけど。私は、正夜がキスをしてる所を見てしまった。

それを見た瞬間。私の目から、透明な液体が流れた。私は、涙を流していた。

一瞬、目から、透明な蜜が流れたのかな。そう思っていたけど。透明の蜜が

一滴。私の唇に触れる。その透明な蜜の味はしょぱかった。あぁ、これは

涙だ。自分が、泣いている事を知ったのは。透明な蜜の味を知ったからだ。

私が、鞄の持ち手を強く握りしめ。その場を立ち去る。幸いにも、正夜や

正夜のキスの相手も。私の事に気づいていないようだ。その光景を見た。

私は、涙を拭い。昔から、持っていた。正夜への感情を爆発させたいと

思った。「私も、正夜とキスがしたい」そんな不純な考えが頭に巡る。

きっと、正夜はアレが初めてのキスのはず(私の情報によると)つまり

ファーストキスをした。ちなみに、私はまだ、していない。正夜の

ファーストキスは盗られたけど。私のファーストキスは、正夜がいい。

だから、私は正夜とキスがしたい。その事で、頭が一杯になった。

つい先まで、必死に話し合っていた事を忘れ。私は、正夜が一人になるのを

待ち続けた。それは、急に訪れるものだった。私は、上唇と下唇をはみはみ

させながら。正夜との初めてのキスを想像していた。

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