第4話違う蜜の味その後

「ねぇ、もう一度。私とキスをして」迫る

幼馴染の藍の柔らかい唇。俺は、避けるべき

だった。頭では、わかっていたのに。なぜか

なぜか。その違う蜜の味をもう一度だけ。

味わいたい。そんな衝動に駆られってしまう。

もう一度。俺は、藍とキスをした。あの

初めてのキスの蜜の味とは、違う。別の

蜜の味を。今度は、しっかりと味わって

いた。そのキスをしていた。時間が、長く

感じてしまう程。藍とのキスの味は、俺の

脳が最高に感じる程。好みの甘さだった。

やがて、二つの唇は離れ。互いを見つめ合う。

荒い呼吸をしながら。まだ、残っている。

藍の唇の感触を余韻を感じていた。「はぁー」

と、小さく息を吐き。俺は、藍の顔を見つめ。

口を開く。「なぁ、藍。今のって、もしかして

俺に、キスをしたって事で、合っているかな?」

何故か、藍に変な質問をしてしまった。俺の

変な質問に、藍は、その小さな首を縦に「うん」と

振った。「そうか・・・・・・」「・・・・・・」

「・・・・・・」流れる。二人の間の沈黙した空間。

それは、とても長く感じてしまう。多分、その時間は

数分にしか。経っていないのに。沈黙を破ろうと

俺が、口を開こうとした。その時だった。「あのさぁ。

正夜・・・・・・」藍が、先に二人の間の沈黙を破る。

「何?」俺が、答える。「正夜は、本当に、知りたいの?」

「えっ⁉」「正夜の初めてのキスの相手を」藍が、顔を

真っ赤に染めて。聞いて来た。俺は、その問いに「あぁ、知りたい」

俺は、答えた。そりゃ、知りたいさぁ。だって、人生最初の初キスの

相手の顔を知らないなんて。そんな残酷な事はないだろ。俺は、藍に

知りたいと言った。それを聞いた。藍は、しばらく言葉を言わずに

顔を下に向けて、しばらくして、下に向けた。顔を俺に向ける。

そして、藍は口を開く。「わかった。じゃあ、正夜の初キスの相手を

教えてあげる」「そうか。教えてくるのか」歓喜した。俺は、その場で

踊りたくなる程。嬉しかった。だが、それを藍に知れれてはならない。

そんな事を心で思っていると、藍が言葉を続ける。「教える。ただし

私の命令を一つだけ。聞いて欲しい」「おぉ、なんだ」初キスの相手を

教える。代わりに、藍の命令を一つ聞くことに。その命令の中身は、どうせ。

何かを買って。なんて、高校生らしい。命令だろ。そんな事じゃなかった。

藍の口から、命令が下される。その命令は「私と」俺が、思っていたものとは

「今晩だけ」そんな可愛い命令なんかじゃなく。「今晩だけ。私と一緒に

寝ってくれない。そしたら、教えてあげる」あぁ、俺の中で、再び。藍との

キスの。あの甘くて、ドロとした。蜜の味が、再び蘇る。

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