第10話 終わりの始まり

 エリシアside

 突然後ろから耳元で私の名前を呼ばれた。


「!!」


 私は反射的に離れようとするが抱きつかれていて、ひきはがせないでいた。


(私の名前を呼ぶのは誰?)


 私は後ろから抱きつかれているのに嫌悪や恐怖を感じずにいた。


(……なんだろう。この懐かしい感覚と匂いは?)


 私は懐かしい感覚の記憶を思い出そうとする。


「あらあら、あたしのこと忘れちゃったかな、エリシアちゃん🎵」


 楽しい声で後ろから話をする。


「……お母様?」


 私は記憶からお母様のことを思い出した。


「ブー外れだよ🎵」


 上機嫌な声で彼女に話をする。


「え?」


 私は戸惑いの表情を見せる。


「……正解はレイカちゃんです🎵」


彼女に正解をみみもとで伝える。


「え?お、」

「レイカちゃんだよ」


「お」

「レイカちゃんと呼びなさいエリシアちゃん🎵」

「……は、はい、レイカちゃん」


 後ろから声の重圧が強くなりレイカちゃんと素直に言わせれた。


「!?」


 後ろから抱きつかれた力が弱まり手が離れていき私は声の方向を向く。


「改めてハロハロ、エリシアちゃん」


 笑顔でサングラスをかけた赤髪で深紅のドレスを着た女性が立っていた。


「……レイカちゃん」


 お母様といつ以来かわからないが私が最後に出会った時と変わらない姿だった。


「元気にしてたかしら?」


 笑顔でエリシアの目をレイカは覗き込む。


「は、はい、元気です」


 エリシアは表情を強ばらせて無意識に身体が震える。


「そんなに怯えないでよエリシアちゃん」


 レイカは優しい声でエリシアに声をかける。


「……どうしてここに来たんですか?」


 エリシアはレイカの目をサングラス越しから覗き込む。


「暇潰しで何となく来ただけだよ🎵」


 笑顔でレイカは答える。


「……レイカちゃん、本当のことを言って下さい」


 真剣な表情でエリシアはレイカを見る。


「あたしの大好きな🎵大好きな🎵可愛い🎵可愛い🎵エリシアちゃんを見に来ただけだよ🎵」


 惚けた笑みを浮かべてレイカは答える。


「……嘘はやめて下さい。レイカちゃん」


 エリシアは怒った表情になりレイカを見る。


「愛おしのエリシアちゃんを神封石に封印しに来ただけだよ」


 レイカは冷たい声で答える。


「……そうですか」


 エリシアは暗い声をだし身体を強ばらせる。




「……エリシアちゃんはどうしたい?」


 レイカは無表情でエリシアの目を覗き込む。


「?」


 突然わからない質問をレイカにされエリシアは戸惑う。


「エリシアちゃんはどうしたい?」


 レイカはエリシアの目を覗き込みもう一度質問をする。


「……」


 私は無意識に倒れている男に目線が行く。


「彼を助けたいのかな。エリシアちゃん」


 レイカは真剣な表情でエリシアを見る。


「……はい、助けたいです」


 レイカの目を見て答える。


「それじゃあ、刻印を外して死なせて上げなさい」


 レイカは冷たい声でエリシアに伝える。


「……それは、出来ません」


 レイカの目を見てエリシアは真剣に答える。


「……エリシアちゃんはどうしたいのかしら?」


 レイカは笑顔でエリシアの目を見る。


「……か、彼の時間人生を取り戻して上げたい」


 エリシアは震えた声でレイカの目を見て答える。


「あら、彼に不幸な時間人生をもう一度味わせるなんてエリシアちゃん性格悪いわね🎵」


 笑顔を見せてレイカはエリシアの表情を見せる。


「……最低限で良いから人間らしい生活を彼に送らせて上げたい」


 エリシアは倒れた彼を見て暗く悲しみな表情を見せる。


「良いよ」


 レイカがいつの間にか近づき答える。


「!?」


 レイカの答えにエリシアは戸惑う。


「特別にエリシアちゃんの力を許可するから行ってきな🎵」


 レイカは上機嫌で答える。


「…い、良いの?」


 半信半疑な表情を見せてレイカの目を見る。


「その変わり、目的を達成したら神封石に戻ることが条件かな」


 怖い表情でエリシアをレイカは見る。


「……わかった」


 重苦しい声でエリシアは答える。


「それじゃあ、行ってきな」


 レイカは笑顔でエリシアに声をかける。


「ありがとう。レイカちゃん」


 明るい表情でエリシアはレイカにお礼をする。


「それじゃあ行って来るね」


 エリシアは男に触れて何かを呟きその場から消えた。


レイカside

「頑張ってねエリシアちゃん」


 レイカは笑顔で話しをする。


「……もう数えるの忘れちゃったけど、世界を壊して再生してあらゆる生物を壊しまくるのも飽きて来たからね」


 レイカは黒い笑みを浮かべる。


「過去のあたしの退屈を満たしてくれるかしらね🎵」


 エリシアと男は知らない。神域によって時間が止まっている間に世界が何度もレイカによって破壊して再生リセットされていることに。










そして、物語時間は動き出す。




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作者「10話書いたぞ」


エリシア「何かやけに力が入ってた気がするが気のせいか?」


作者「一番書きたい場面に到達出来たからね」


エリシア「それで、これがプロローグな感じか?」


作者「そんな感じですな」


エリシア「次回から本編か?」


作者「そうなりますね」


エリシア「……がんばれ」


作者「ありがとう」


というわけで次回からやっと物語の本編になります。


よろしくお願いします。



 もし良かったらこちらの作品も読んでいただければ嬉しいです。よろしくお願いします。


「感情を失った僕は《厄災、破滅、絶望の女神》と一緒に住むことになりました」リンク↓

https://kakuyomu.jp/works/16817330659877612214

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