Ⅶ「鬼畜と旅とその結果」
言葉も無かったオウカだったが、暫くして言葉を絞り出す。
「……人はそこまで残酷になれるのか?」
『この世界の住人の大半狂っているのですよ』
曰く、大半の人々は倫理観や道徳が消し飛んでいるらしく、極悪非道の悪事に手を染め、悪行を働く行為を、至極当然の権利と言わんばかりに振る舞う極悪人ばかりとの事。
どうにかしようとする人はいるにはいる。だが、全員やり方を間違えるか、おかしな方向に突っ走るため、悲劇を加速させる。
優しい人は死ぬか、狂うか、堕ちた果てに、上記の仲間入り。だからこそ強い人しか残らない。しかも馬鹿、脳筋、外道、獣畜ばかり。
『だからこそ滅びました』
「是非もないな」
牛の血を吸って生きる虻は、牧場の牛が全滅したら生きていけない。そんな事すらわかってなかった。
そして、これは余談。
三つの国を滅ぼしたDだったが、お目当てのモノは手に入らなかった、それどころか、Aの唯一の生き残りによって全滅した。……骨や建物は残ったAに対し、Dは人どころか土地すら残らず、大きな窪地になった。何せAの所有していた<冥刀>の破壊力は凄まじいのだから。
「……こういう時何て言うんだっけ?」
『?』
「ああそうだ……焼肉定食」
『……弱肉強食の事ですか?』
「似ているから間違えた」
『似てませんよ!?』
更に『ある事件』のせいで新しい<冥刀>が作れなくなった事も拍車をかけた。
だからこそ、この世界は滅ぶとの事。実際滅んだ。
「まあ俺には関係ないな」
『……ドライですね』
「何でもかんでも掴もうとすると取りこぼすからな」
そうしてオウカの旅が始まった。色々な人や<冥刀>との出会いと別れがあり、ヤバイ事態や命の危機に陥った事もあった。
彼は様々な経験をした。その中に、戦いがあった……というか戦いばかりだった。激闘や死闘ばかりで苦戦も多かった。強敵や難敵ばかりで何度も、何度も、何度も、死に掛けた。
更に、その延長線上で世界の存亡に関わった。この世界がこうなってしまった根本的原因との対峙。もういないはずのある人物との出会い。そして、最終決戦。オウカとその愉快な仲間達はそれを潜り抜けた。
そして、彼は世界を救った。……代償はあったが。
それを終え、オウカは帰還した。幾らかの手土産を持って。
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【コソコソ話】
(・▽・)<
(・▽・)<
(#ー#)<何が起こったんだよ……。
(㈩*㈩)<完全ネタバレなので割愛。
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