第3話 振り回されて
朝、私は金縛りで目を覚ます。そうだった、幽霊と同居しているのだ。
あすかが私の上で寝ている、不思議と重さは感じないのに金縛りにあったのである。私はかけ布団を上げて起き上がる。
「おい、起きろ」
「えー眠い」
何故、幽霊なのに睡眠をするのか謎だが、私はあすかを叩き起こすと立ち上がる。
あすかの目をこすり眠そうにしている姿は可愛く胸が躍る。いやいや、幽霊に恋してどうする。
私は平常心を取り戻すと、朝食にすることにした。今日も朝番の母親は出勤の準備をしている。母親が朝番の時の朝食は父親と交代で作るのであった。
「じゃ、行ってくるね」
その挨拶と共に母親は自宅を出る。
「ところで、あすかは料理ができるか?」
「はい、ローストビーフならできます」
朝から重いなー。
ここはあすかを戦力外にしてと……。
私は味噌汁を作り始める。
「いいなー私も食べたい」
「食えるのか?」
「食欲だけはある、でも、う〇こは出ない」
ホント、下品な幽霊だ。イヤ、女子として失格だろ。私が呆れていると。あすかはぼっーとふわふわ浮いている。
「今、席を用意してやる、とにかく座れ」
「はーい」
気の抜けた返事を返すとあすかは私の用意した席に座る。すると、あすかはスマホを取り出すと……。
「お姉ちゃんを呼んでいい?」
祟日先生を呼ぶだと?!頼むからこれ以上ややこしくしないでくれ。
それから登校して、ショートホームルームが始まる。
「皆さん、新しいお友達を紹介するわ」
若い女性教師がホームルームを仕切り話し始める。そこに立っていたのはあすかであった。
「祟日あすかさんです。長らく死んでいたので暗室に閉じこもっていましたが、はれて復学です」
ざわつくのは男子であったが女子は冷ややかな目線である。そう、あすかは可愛いのである。
「ゴメンなさい、私は青龍のお嫁さんなの」
ゲホ!!!私は思わずせき込む。
すると、あすかはわたしの隣の席の男子に移動するように言うと机に蹴りを入れて脅す。
これはもはや悪役令嬢である。
「あらあら、積極的ね。だから、暗室から出てきたのね。先生は嬉しいわ」
違う、このコスプレ好きの幽霊など嫁にした記憶はない。あすかが隣の席に座ると、私は頭を抱える。
放課後、レイヤー撮影同好会の部室に向かうと。誰か先に来ている。
「ちわーす」
私が挨拶をすると。奥から体操服に紺色ブルマ姿の祟日先生が出てくる。
「お前はアホか!」
「いや……私もレイヤー撮影同好会の一員よ」
弁解する祟日先生だが明らかに風俗の恰好だ。大体、今時ブルマなど何処で手に入れたのだ?
私の問いに、祟日先生は密林で買った。との、返事が返ってきた。それは夜のお楽しみの為に売っている物だ。
「おや、青龍どの先に来ていたのだな」
田中が部室に入ってくる。
「むむ、祟日先生がエロくて可憐だ、ここは早速、撮影せねば」
ブルマ姿の祟日先生に気づいたらしく。田中は真剣な顔になる。
「あすかもブルマのコスプレする?」
「はい、ギガ興味があります」
「では、この銀色のエナメル質のブルマを与えよう」
「おおおお、流石、お姉ちゃん」
その言葉と共に奥の和室に向かうと銀色のエナメル質のブルマに着替える。
そして、また二人でお立ち台の上に上がる。二人の絡まる太股はビーナスの様でエロを超越して芸術の領域であった。
少し大げさか……ただのコスプレですけどね。私は少し離れた所からスマホで撮影するのであった。
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