第12話
「まのちゃん大丈夫? 今、普通のやつしか持ってなくて。薬あった方が楽だよね、まのちゃん重たい方だしね」
トイレに着くなり、バックの中をかき混ぜるようにして、私にナプキンを差し出してきた。
私はその手をつかみ、制止するように澄佳の目を見た。
「ごめん、嘘」
「え?」
「ちょっと澄佳と二人で話がしたくて。だから嘘ついた」
「ごめん」とばつが悪そうに話した。
しかし、澄佳はきょとんとした顔をする。大方、何を二人で話すことがあるのかと困惑しているんだろう。
そのまま固まって動かない澄佳に、私はひとつずつ、でもしっかりと言葉を紡ぐ。
「澄佳、あの彼氏はやめておいた方がいいよ」
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