第11話

 真っ暗な地面に開いた穴の中は、また洞窟だった。

 猛スピードで、トロッコはそのまま洞窟を走って行く。


 更にスピードを上げだしたトロッコ。両脇には、土の壁が真っ赤に燃え盛りっていて、その高熱によって、俺は汗を大量に掻いた。


 後ろを振り向くと、音星も自分の汗をピンク色のハンカチで静かに拭っていた。


 トロッコが真っ暗闇な洞窟の奥へと走っていく。しばらくして、明かりのある出口が見えてきた。向かい風が激しさを増した。洞窟の出口までトロッコが車輪から火花を飛ばしながら、猛進する。


 俺はゾッとした。

 明かりの正体は、無数の青白い人魂だったのだ。

 

 人魂は出口の周囲を浮かんでいた。


 キュー―ーー!


 と、いきなりトロッコが急ブレーキをかけてきた。


「うっ、うお!!」


 俺は激しく左右に揺れるトロッコから、振り落とされないようにと両手をついて、足に力を入れ踏ん張った。音星は無言で俺の背中にしがみついていた。


 洞窟を抜けると、トロッコは無事に停止した。


「ふぅーー、どうやら止まってくれたようですね」


 音星が安堵の息を吐いた。

 俺は冷や汗ともども腕で拭うと、あたりを見回した。


 「あ、あれ? ここは?」 

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