第4話

 本当に俺の身体が歪んでいる。

 けれども、痛みはまったくない。


 ぐにゃり、ぐにゃり、ぐにゃり。

 

「ああ、そうか!」


 俺は合点した。

 身体を極度に歪ましているのは……そう、俺を鏡に入りやすくするためなんだ!


 激しい雷鳴と共に、鏡が輝き出した。

 落雷が近くへ落ちた轟音がする。

 俺は鏡面が仄暗い洞窟を映しているのを見て、いよいよだなと思った。


 キュー――ン。という、過度な吸引音と共に俺は鏡の中へと勢いよく吸い込まれていった。


…………


「うん?? 痛ってーーー!!」


 俺は気がつくと頭を抑えた。

 頭部がズキズキと鈍い痛みを発している。

 めげずに辺りを見回すと、そこは仄暗い洞窟の中だった。

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