第3話

「さて、どこにあるんだ?」


 俺は地獄への入り口を探した。

 あ! 確かバスガイドさんは鏡がどうとかいっていたな。


 鏡を探そう。

 多分、本殿の中にあるはずだ。


 こじんまりとした神社だ。

 本殿の中に入れば、すぐにわかった。


 鏡は神社の中央に上を向いて設置されていたので、俺は自分自身を映すために向きをこっちへ変えた。


 妙に外からの風の音が大きくなって、本殿の中も寒くなって来るが、俺はその鏡の前に立ってみた。


 途端に、外から雷鳴が激しくなり響き、俺を映し出す鏡面がぐにゃりと歪んだ。


 だが、俺は見間違いだとは思わなかった。

 ああ、鏡が歪んだんだなあとしか思わなかった……。


 あれ?

 鏡が歪んだわけじゃないや。

 俺の姿が歪んだようだった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る