2.【今は自堕落】


 机の上に転がって絡まってる有線イヤホン。


 鼻をかむ用の箱テッシュは残り一枚しかない。

 口から力なくテロリと垂れた一枚の奥に箱の底が透けて見える。


 飲みかけのぬるい緑茶。

 底に残された200mlにも満たない緑色はプラスチックの凸凹に沿って輪郭を持ち、結露にそなえて置いたコースターの上に鎮座している。


 ずいぶん前からこんな状態な気がする。

 動かす気にも、動く気にもなれない。

 時計の針は関係なく右に回り続ける。

 ベッドの上で上半身だけ起き上がらせた状態で、ぼうっと机の上の散乱を見つめている。


 ぼうっとしている。


 外はきっと蒸しているのたろう。

 夏季の午後三時頃のことだ。


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