第5話 何して遊んでる?

放課後。

私は何も趣味のものを持ってきていないため、一人の時何をして時間を潰すか考えていた。

皆は何しているんだろう?授業が終わり片付けをしているケセラとルカに問いかけてみる。


「休日二人は何してるの?」


ケセラが顎に手をあてて思考を巡らせる。


「うーん、俺は馬術部の馬と交流してるな。ペットとして連れてきた人がいるみたいでペガサスもいるんだぜ。1日居ても飽きねえ。あとはー……腹減ったら調理室で何か凝ったもん作って食ったりとかしてる。」


ペガサスというのは私とルカが初日に乗せてもらったテディ先輩の相棒のことだろう。


学校は食費を抑えたい生徒や自国の料理を食べたい者、食堂が閉まった時間に夜食を食べたい者などのために調理室を利用可能にしており、放課後は料理研究会の生徒達が利用して賑わっている。

寮にもキッチンはあるが、調理室のほうが設備が整っており様々な道具が揃っている。


「何を作ってらっしゃるのですか?」


ルカも興味津々だ。

自炊などした試しが無い私も、同級生の作る料理に興味が湧く。


「えっと昨日は喫茶店で食べたやつの再現料理を作ってみた。全く同じってわけにはいかねえが自分で作ると安く済むからな。」


ハンバーグ、オムライス、カクテルのような紫色が美しいドリンク。スマホで見せられた写真はとても出来映えが良いものだった。


「へー、すごいね。かなり凝ってるじゃないか」


「この前都市部の喫茶店に入ったんだが、俺の地元には無い芸術品みてえな料理が沢山あったんだ!

味も凄く美味しくてよ、その分値が張ったんだがついメニュー表の片っ端から頼んじまったんだよ。

案の定金足りなかったから翌日までバイトして帰った!」


「ケセラ……この前休んでたのはそれが原因かい?まさかそんなことやっていたとは。タフだね」


「無銭飲食かって顔真っ赤にして怒ってた店長も帰る頃にはバイトしないかって言ってくれたんだぜ。腕が良いってさ。まかないも食えるし来月から入ることになったんだ。」


「それは……本当にタフだね。すごいや。聞かせてくれてありがとう、ルカは何してるの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

何変哲ない魔法学校の日常の一コマ 庭の小鳥 @niwaniirukotori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る