第3話 休日
「遊びたい!だって俺達学生だもん!」
ケセラが唐突に叫ぶ。
「いきなりどうしたんだ?」
「いやさー、学園生活は充実してるけどさー、ここ数日全然外に行ってないじゃーん」
「外出届書くの面倒臭いしね。」
「おう。それによー、俺の地元と違って遊ぶ場所が何処なのか知らねえ。」
それは確かに。入学してずっと学校生活にばかり夢中になって遊ぶことを忘れてしまっていた。サンディガフの遊び場って何処だろう?
「確かケニーがサンディガフ出身だったよね。聞いてみよう」
Cクラスへと訪れると、ケニーはサンドイッチを頬張っていた。
「えー?サンディガフの遊び場?うーん、遠いけど、休日なら首都のシュークランドにでも行ってみたらどうだ?あそこならショッピングセンターも映画館もカラオケも何でもあるぞ。」
「映画館!行きたい!俺映画あんまり観たこと無いんだ」
「そうなの?やっぱり出身地の違いかな」
「うん。映画館なんて車で四時間はかかる」
四時間。相当敷居が高い。
「そりゃ観てないわけだ」
「じゃあどんな風に過ごしてたの?」
「うーん、外で何かやってんな。鬼ごっことか、メンコとか。あと室内でオンラインゲームしたりよ」
メンコ。山吹の国では親世代で盛んだったものだ。私にとっては歴史上のものである。
「メンコ、私の母がやっていたと言ってたな。私世代は全く馴染みが無いや」
「え!?そうなのか!?やっぱ違うもんだなぁ。
色々あるぜ。紙とか、木とか、鉄!」
「鉄?ひっくり返せるの?」
「ジョークグッズさ」
面白い。皆、世界中から集まっているんだよね。
どんな遊びをしていたんだろう?
今度ルカにも聞いてみよう。
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