第5話
暫く歩くと
見張りを見つけたのだろう。しかも三本用意したということは最低二人はいると言うことだ。この侍大将は武という面では六角の武将の中でも上位の者だ。
きりきりと絞られた弓から矢が放たれる。次の瞬間には方向を変え二射目を放つ。すぐに三射目。
放ち終わると三射目にどさりという音が響く。後は何の音もしない。
「
「
すぐに四射目を放つ。【がさり】という音と共に何かが倒れる音がする。
「そこ、罠だ。解くから暫し待て」
「これは
冷静に状況を分析する
その間にも
「ほれ、よく見て見ろ。矢の先に何か塗ってあるだろう。たぶん毒だ、それも相当強力な物だ」
「どうする? 引き返すか?」
「いや、このまま進む。どうするにしろ相手の本拠が見える位置までは進む必要がある。この暗さで戻るのは危険だ。それにもう見張りを殺したから引き返せんよ」
そうこう話ながら進んでいると急に視界が開ける。そこには広場のような場所があり、数件の掘っ立て小屋のような物まで建っていた。
「ちっ、予想以上だな・・・・・・」
そこは
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「おいおい、最低五十はいるんじゃないか?」
夕暮れ時ということもあり数名の女が料理の支度をしていた。その奥には洞窟が有り、その入り口の横には
「ふむ、とりあえず先程の村の者はまだ生きているようだな。ほかの
この
そしてその奥に
「まあ何とかなりそうだが問題は檻の向こう側にある山道だな・・・・・・」
「
暫く進むと山道に行き着いたのでゆっくりと進む。突然先から話し声が聞こえてきた。
「また若い女が手に入ったらしいぞ。そろそろ新しい女が欲しかったからなぁ」
「そうだな。まあ俺たちに回ってくる時にまともだったらいいがな」
二人の見張りらしい男達は下品な笑い声を上げる。その先には柵が有り、どうやらここの拠点の終わりのようだった。
「おいおい、静かにしておけ。あまり無駄口を叩いていると大将にどやされるぞ。それに女も回ってこないかもしれないぜ」
突然上から声が掛かる。慌てて上を見上げると
ゆっくりと弓を引き絞り【ひょう】と放つと矢は男の首元を貫いた。弓を棄て、太刀に手をかけ二人の見張りに向かい走り出す。木の上の男にすれ違い様に視線を移すと男は既に事切れていた。
突然茂みの中から飛び出してきた
太刀はするりと抵抗もなく喉に入り込んでゆく。そのまま力任せに真横に振り抜くと見張りの喉は半分から裂け、大量の血飛沫が上がった。崩れ落ちる見張りを放り出し、先程殴りつけた見張りへ身体ごと向き直る。
見張りはゆらりゆらりと揺れながら頭を振っている。
見張りはじたばたと暴れるが
じょばじょばと
「南無」
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