第6話 妹よ、あんたやっぱりちょろインだわ……
無事ハンバーガーを食べ終え、適当にぶらぶらと歩く2人。
そんな2人の目の前にたたずむのは学校だった。
「そーいやだけど、あんたせっかく可愛くなったんだし学校行けば?」
「えー? 絶対いや、めんどい」
「行ったらモテるぞー?」
「別に男子にモテても嬉しくないわ!」
「ほほう、BLは好きなくせにー?」
「なっ! なんでそれを!」
「図星だ〜、この前BL本探してたら無かったから持ってったんかなって、ちゃんと返してね?」
「返すけどさ……それとこれとは別! だってお、俺……好きな人いるし!」
(よし、後で問いただそう)
「そんなことないよ、あんたね〜百合って知ってる?」
「ゆり? なにそれ?」
「知りたいかー、それはねーBLって男×男でしょ?」
「うん」
「百合は女×女だよ!」
「な、な、なんだってー!」
「そ、そんなこと……リアルでもあるの!?」
「ある!」
「絶対に?」
「絶対に!」
「なんで言い切れるの?」
「なんでも……」
(痛いとこ突くなぁ……)
「まあ良いじゃん! 百合って手も無くは無いぞー? てかそんな可愛かったら女子からもモテモテよ〜」
「えぇー? まじ?」
「まじ」
「よし、僕学校行くわ」
(いや、ちょろすぎやろ……てか可愛ええなぁ!)
「わーった、じゃあその事はなんとかしとくわ」
「ありがと! ねーねっ!」
「いや天使っ!」
ねーね呼びに限界オタク化する風花であった。
あっ、そーだ! 言ってなかったよね!
風花ってオタクなんだよ!
特に百合と薔薇は大好きらしい!
「なぁ」
「何? ねーね?」
(ねーね呼び可愛いからやめぃ! やっぱ辞めないで! めっちゃ助かるわ!)
「そ、そ、そのさ……」
顔が火照る。
何を言おうとしていたのかすらハッキリしない。
(あれ? 何言おうとしたんだっけ?)
そんなことを考えていると家の前に着いていた。
「んで、ねーね〜? もう家着いちゃったけど? 何を言おうとしたの?」
「ん、え? あぁ、なんだっけ? 忘れたー」
「おいおい、姉ちゃん歳か? ボケてるぞ?」
「うるせぇ、まだ高2やわ!」
「はぁ……これだから最近の若者は……」
「てめぇもだろぉー!」
「俺は記憶力良いし?」
「はぁー? そんなわけないだろー?」
「いや、あの世界一難しいって言われてる脱出ゲーム、初めてクリアしたの僕だよ?」
「あぁ……そういえばあんた引きこもりやったね……」
美少女になっても引きこもりが抜けきらないちょろインの綾花だった。
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