第5話 もうちょい可愛らしくさぁ……

「いらっしゃいませー!」


元気な声が店内に響く。


「なぁ、綾花ー? あんた何頼むん?」

「んー? ポテトとハンバーガー2個とナゲットと……」

「いや、食いすぎやろ」

「あのなー、もうちょい食事制限せな太るぞ」

「毎日カップラーメン15杯」

「あっ、そっか、あんた引きこもりやんね」

「んー」

「それでよー太らんかったな」

「ゲームは運動や! 異論は認める!」

「認めんかい、まぁいいからちょっと少なめにしときな」

「はーい」

(えらい素直やなぁ)


「あのー? ご注文の方はー?」

「あっ、ごめんなさい」

「ハンバーガー2個とポテトー!」

(それでも食べすぎなんや……)

「私はハンバーガー単品で」

「あっ……はーい、えと、合計1500円です」

「安いなぁ……」

「そんな安くは無いぞ……」


とんちんかんな話をする2人。


「あっ、席あるかな?」

「取っといたよー」

(我が妹よ! あんたは有能や!)


なんやかんや時間が過ぎてハンバーガーが到着した。


「こちらご注文の品です」

「あー、ありがとー!」

「んじゃ、食べよっか?」

「うん、いただきまーす」


元気な声が店内に響く。

店にいた客全員がこちらを向く。

すまない……他のお客さんよ……気にしないでくれ……


「んべねーじゃん」

「いや食べながら話すなよ……」

「んでねーちゃん?」

「ん?」

「いつ、食べんの?」

「あっ、そかー」

「んじゃ食べよ……って」

「あんたもう食べ終わってんの……」

「うん、ねーちゃん遅い」

「いや、あんたがバケモンなだけやろ……」


途方に暮れる風花だった。

そそくさとハンバーガーを食べる風花に綾花が一言。


「口のサイズハムスターみたいやな」

「やかましいわ」


切れ味の良いツッコミが店内に響いたとさ。

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