第28話

ここで一旦新キャラの関係を整理


和田慎吾わだしんご、湊を勝手に参加させて天が女装することになった原因、女の子を連れてきてと湊に言ったわりには一人で来ている。


天海奈々あまみなな、おねショタ好きなところ以外はまともな人。


逢沢拓海あいざわたくみ、天海奈々の彼氏で天海のおねショタが暴走しそうな時に止める役割。


全員湊の中学時代の友達。



───


ご飯は食べ終わって、別のところで雑談するという話になったんだけど……和田さんが湊に連れていかれたので、話が終わるまで僕達は待っている。


「和田さんが湊を勝手に参加させたから僕が女装する羽目になったからねぇ……初対面だけどちゃんと怒られて欲しい」


「私は可愛い天ちゃんが見れたから和田を称えたい、もう二度と見れないレア姿だよ。ま、天くんも可愛いけどね」


初対面が女装した姿でっていうのがなぁ……普通に今の姿のまま、初めましてしたかった。


「湊にむっちゃ怒られた……。どうせ参加するだろうと思っただけなのに」


「確かに参加してたと思うけどさ、和田が女の子を連れてこいとか言うからこんなことになったんだけど?」


「まぁもう過ぎたことだしいいけど、もう女装は二度としたくないかな」



§



写真だけ撮って、和田さんと逢沢さんはバイトがあると言って帰っちゃったけど、残った僕達はどうしようかな。


「ねぇねぇ、四人は中学時代どんな感じだったの? 中学生がどんな事をするのか僕は知らないから気になってさ」


「基本的にやってることは普通だよ。今は入ってないけど、普通に部活とか勉強して、叶わぬ恋もあったけど……案外楽しかったよ」


「湊って恋愛したことあるんだ、高校じゃ全くそう見えないよ。恋愛に興味ないと思ってた」


「中学のことがあったから興味が無くなったのかもな」


告白して振られた……ってわけじゃなさそう、何があったかは気になるけどわざわざ嫌のことを思い出させるようなことをしたくない。


「じゃあ部活は何やってたの?」


「今日居た三人と、海外に行っちゃったもう一人で天文学部に入ってたかな。卒業式の夜に五人で星を見に行った時は楽しかったなぁ」


「あの日は星を見に行っただけじゃなかったでしょ? たっくんが私に告白して、湊も告白したじゃん」


「既に引っ越すことが決まっててダメだったけどな?」


部活内恋愛かぁ……僕には無縁だけど、天海さんと逢沢さんは幸せそうだしそれもまたいいよね。もし湊が告白した人が海外に引っ越す予定がなくてそのまま湊と付き合っていたとしたら湊と僕は友達になれていたのだろうか?


「その時に約束したんだよ、またいつか……って。だから奏が帰ってくるまでに俺はなるべくいい男になろうと思ってな、勉強も今まで以上に頑張って今の高校に進学した。

 ︎︎それで大学もいいところに行くつもりだよ、普通だったら天のような人が目指す海燈かいとう大とかに行こうと思ってる」


「それじゃあ、僕も海燈大しようかなぁ、その方が一緒に勉強できるしさ」


「一緒にというか、俺がずっと天に教わる形でしょ。それに海燈大だったら多分あの二人も行くでしょ?」


「そういう話は聞いたことないけどあの二人ならそうなんじゃないかな? みんなで行けたらいいね?」


琴歌さん達に関しては僕よりも頭いいし、もしかしたらより頭のいい東京の方に行くかもしれないけど、僕は住んでる家があるし引っ越さずに行ける大学で頭がいい所はだから行くとしたら海燈大かな。僕にとって良い大学に行くことは夢でもあるし、父さんのためでもある。

 ︎︎そこに一人で行くんじゃなくて、友達と一緒に行けるんだったらとても嬉しい。


元々僕は東京の方も考えてたけど、付属高に通ってるし友達もそこを目指してる、それに海燈大だって頭いいし、僕の理想の大学ではある。


「天とあの二人なら行けるかもだけど、俺はどうだろうな……。無謀だって言われるような事だけど、俺は諦めたくないな」


「ちょっとちょっとぉ、私を置いてけぼりにしないでよ。二人の通ってる海燈大附属には行けなかったけど一応今の学校じゃ頭いいほうなんだからね?」


「それじゃあ天海も海燈大目指すか?」


「いーや、私は専門学校に行くつもりだからさ。二人を応援しておきますよ」



§§§



やっばい、あの後も話すのに夢中になってたら普通に時間忘れてた。明日の勉強会の準備とか今日の晩御飯とか色々しないといけないことがあるのに! 本気で走って帰っても既に午後五時を回っていた。


「別にご飯を作らないといけないからって走って帰ってくる必要はなかったんですよ?」


「いやぁ、この時間にご飯を作るってのが体に染み付いちゃってるからさ。初めてだなぁ、楽しくして時間を忘れちゃったの」


「天さんが楽しかったのなら良かったです! たまには一緒に作ったりしませんか?」


男女二人で一緒にキッチンに立ったらそれもはや夫……いや、言うのはやめておこう。


「明日なら一緒に作れるよ、というか量が多いから一緒に作って欲しい。それで言うなら今度湊の友達が来る時も手伝って欲しいかな」


「分かりました! 天さんより慣れてないですが、明日と湊さんの友達が来る時は私も頑張りますね」


なんか……からかわれる予感がするけど、琴歌さんが楽しそうだし、別にいいか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る