第2話 私の勝負下着が…

 浩二の部屋の前に、私自慢の勝負下着を置いておいた。これを観た時、浩二はどういう反応をするかな~?


クンカクンカしちゃう? 部屋に持って行ってにしても良いよ♡


私は自分の部屋の扉をちょい開けして見守るから♡



 ……浩二があの女を見送り終わって、部屋の前に戻ってきた。私の勝負下着に気付いた彼は、しゃがみこんでジロジロ観ている。


いつまでも観てないで手に取ってよ~! 焦らしプレイなの?


…浩二が急に私の部屋の方を観てきた。咄嗟の事なので逃げられず、私達は目が合っちゃった。ここは大人しく廊下に出るしかなさそう。


「姉さん、これ何?」


「観てわからない? 私の勝負下着♡」


「下着はわかるんだけど、何で僕の部屋の前にあるの?」


「それはね、私に夢中になってほしいからだよ」

浩二の隣に相応しいのは、あの女じゃなくてわ・た・し♡


「夢中? …よくわからないけど、僕は姉さんを嫌ってないよ。夢中にさせる必要ないんじゃない?」


浩二が私を嫌っていない? それって、昔みたいな関係に戻れるって事じゃん!


「私を嫌ってないなら、昔のように甘えてきてよ~」

その先も大歓迎だから♡


「それは無理。僕はもう子供じゃないからね」


えぇ~、浩二の嘘付き! だけど、これはきっと照れ隠しだよね。少しずつ浩二の心の壁を壊さなきゃ!


「そんな事より、この下着早く片付けてよ」


これ以上長引かせると、浩二を怒らせちゃうかも…?


「わかった…。だけど今腰痛くてしゃがめないんだよ。ここに持ってきて」


浩二に下着を持ってもらうために嘘付いちゃった♡


「はいはい…」

浩二は勝負下着の端のつまんだ。


何でそんな汚い物みたいに持つの? 私自慢の勝負下着なのに…。


「これからは変な事しないでね」

私に勝負下着を渡した後、浩二は自分の部屋に戻って行った。


このまま廊下に立ち尽くすのもアレだし、私も部屋に戻ろう。



 勝負下着作戦は失敗に終わった…。これからどうすれば良いの? 他のアイディアがまったく浮かばず、私はベッドに寝っ転がりながら頭を抱える。


クラスメートでブラコン仲間の由真ゆまちゃんにアドバイスしてもらう? …でもあの子はお兄さんが好きだから、弟の私とは事情が違う。同じ戦法が通じるとは思えない。


それでも、聴かないよりマシかな~? 男の子には変わりないし…。


このままウジウジ悩んでも時間の無駄だよね。私は思い切って由真ちゃんに電話する事にした。

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