【完結】私の可愛い弟が〇ッチに誘惑されちゃった件

あかせ

第1話 憎き〇ッチ

 ……隣の部屋の扉が閉まったわね。さっき呼鈴が聴こえたから、多分弟の浩二こうじがまたあの女を連れてきたと思うけど…。自室にいる私は物音を立てないようにしてから、壁に耳を当てる。


そうする理由は言うまでもなく盗み聞きのため。あの女関係なく、浩二の声をたくさん聴きたいからね♡



 私、木原きはら奈々ななには1歳下の弟がいる。名前は浩二と言って超可愛いの♡ 昔はよく「お姉ちゃ~ん!」って呼んでくれたっけ。甘えん坊で泣き虫で、本当に可愛い弟だった♡


それがだんだん疎遠になって…。思春期だから距離を置くのは仕方ないかもしれないけど、その間に浩二が女を作っちゃった。本当にショックだよ…。


1回も会ったことないけど、盗み聞きで名前はわかってる。舞花まいか、それが憎き〇ッチの名前。


あの女の嫌らしい声が、今日もまた聴こえてくる…。


『浩二君のちん〇、マジさいこ~♡」


あんたの声がデカすぎて、浩二の声が聞こえないじゃん! 私も浩二のお〇ん〇ん欲しいのに~!


『僕もだよ、舞花』


…何とか聴こえた。きっと無理やり言わされてるんだね、私が何とかしないと!


浩二は良い子なんだよ? 〇ッチと相性が良い訳がない! 今までそう思ってるだけで、行動を起こしたことはないけど…。


私の堪忍袋の緒は切れたよ! 絶対浩二とあの女を引き離してみせる! そして昔のような、いやそれ以上の関係になるんだ! 頑張るぞ~!!



 ……結局、あの女の喘ぎ声ばかり聴こえてきて私のストレスはMAXだ。早く帰れ早く帰れ。私に出来る事はこれだけだね…。


『今日も最高だった~。浩二君、あたし帰るね』


やった~!! 私は心の中で叫ぶ。神様は私の味方になってくれたんだ! その言葉の後、浩二の部屋の扉が開く音がした。2人の足音が聞こえたから、玄関に行ったはず。


浩二の目を覚まさせるには、早く行動を起こさないと。でもどうすれば良いのかな?


…やっぱり、セクシー路線が男の子の気を引くよね。私自慢の勝負下着で浩二の気を引こう。


浩二が部屋に戻る前にタンスから取り出して、部屋の前に置いておこう。そこに置けば、絶対目に入るはずだから。


私はすぐさま準備完了させ、浩二の動向を部屋から覗く事にした…。

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