父上はちょろい・・・というかちょろすぎる
「父上ぇー」
ガチャ、僕は父上の書斎の扉を開けた。
「レイくーーーーーん!」
ガバッ、父上は僕に抱き着いた。
父上は重度の親バカで僕を見かけると場所構わず抱き着いてくる。
「ちょ、ちょっと父上離れてください!」
父上はバカ力なので抱き着かれると十歳の僕は少しどころか内臓が出そうなくらい苦しいのだ。
「うぅ、レオくんが冷たい。もう少しパパに優しくしてもいいんだよ?」
「父上に抱き着かれると痛いんです。」
ガーンと効果音がついているかのようにみるみる落ち込んでいった。
「でもそんな父上も好きですよ。」
「えっ、レオくん優しい…キュン」
ちょろ。
「そんなことより僕、父上に聞きたいことがあるんです。」
「そんなことって言われたよ・・・・・でも冷たいレイくんも可愛い・・・・・・で、聞きたいことって何だい?」
「僕って男の子じゃないですよね?」
そう僕が言ったとたん父上の書斎は音がなくなったかのように静まり返った。
父上以外にも仕事をしている人はいたのにその人までもが静かにしている。
ここでは言ったらだめだったか~
えっ、てかどうしよう。父上も今まで見たことないほど困ってる。
「あ~、レオくんそれは誰から聞いた?」
「誰からも聞いていません。」
あっ、この顔は疑ってるなあ。
「父上は僕のこと信じてくれないんですか?(涙目)」
「いやいやいやいや、信じてるよ、世界で一番に!!」
やっぱし、ちょろい。
「じゃあ理由を教えてくれますか?」
「こ、ここでは無理だから、夜になったらパパとママの部屋に来なさい。」
「分かりました。」
最後にニッコリ笑顔で
「約束ですよ。破ったらパパと一生口ききません。」
「わ、わかった!必ず約束を守る、だから口きかないとか言わないで…」
「父上次第ですね。」
そういいながら僕は父上の書斎を出た。
やっぱり父上はちょろい。
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