第4.7話 バランスボールレッグカール(2)
「バランスボールレッグカールを行うときに股関節伸展位を維持しながら、エキササイズを行うのが大事ということだ」
エマの課題は股関節伸展位におけるハムストリングの固定力の不足だと推測される。バランスボールレッグカールを行うときに、股関節伸展位を維持しながら行うことで、股関節伸展位での筋トレになる。逆に言うと、股関節伸展位を維持せずに行ってしまうと、目的とするトレーニングとは違う内容になってしまうのだ。
「どういう状態かというと、ふとももとお腹が一直線になるような状態を常に維持しながら、レッグカールをやろう!」
体幹部とふとももが一直線に近い状態になるように維持することで、股関節は屈曲位ではなく伸展位になる。ただ、バランスボールレッグカールは、油断するとすぐに股関節が屈曲位になりがちだ。その点を注意すべきであると、フジカルはエマに告げた。
「お尻を中心として胴体とふとももの角度が180度ぐらいを維持できずに曲がってしまう状態、すなわち、股関節が屈曲する状態は避けたい。」
そう言うと、実際にどうやってやるのかを見せるために、フジカルは床に仰向けに寝転んだ。
「そういった点を注意しながら、まず最初に、仰向けに寝よう」
「そして、バランスボールにかかとを乗せる」
「そこから、膝を伸ばして、お腹と足を一直線にして身体を地面から持ち上げる!」
「このとき、腕はまっすぐにして地面を軽くおさえるようにバランスを取ろう」
「一直線にした身体の状態から、ハムストリングを収縮させながら、ゆっくりと膝だけを曲げていこう!」
「膝を90度ぐらいまで曲げたら、今度は、膝をゆっくりと伸ばしながら、足と身体をまっすぐにしていこう。戻すときにハムストリングにエキセントリックな負荷がかかるから、ここも大事にしよう!」
膝を曲げた状態から伸ばした状態にするときに、ゆっくりと膝を伸ばすことで、ハムストリングが引き延ばされながらも力発揮を行う、言い換えると、ハムストリングが外部の力によって伸ばされる速度をゆっくりになるように制御するわけだ。ここを丁寧にゆっくりとできるかどうかが、割と大事だったりする。
エマとエリカが、フジカルの見本を見てから、他の2人もバランスボールを使ったレッグカールを行う。
何度かバランスボールのレッグカールを行った後、フジカルは、バランスボールレッグカールの難易度を少し上げた。
「次は、片足でやってみよう!」
「片足はバランスボールに乗せ、もう片方の足は股関節を曲げて片足レッグカールだ!」
片足でのバランスボールレッグカールは、両足で行うよりも難易度がグッと高くなる。
片足レッグカールはエマには少し難しかったらしく、エマにはできなかった。
もう少し練習と強化が必要そうだ。課題が見えるのは良いことだ。
「ここまでが速く走るためのストレングス系のトレーニングだったが、次は、プライオメトリック系のトレーニングに挑戦だ!」
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