第4話 家を出てから妹の一〇分後

どうだ。どうだ。ぐりぐりと押し付けてやれ……。

おにいの手ってとっても温かくて、文系の割して意外とすっごく筋肉質で、ごつごつした感じがする。

いつもあたしを守ってくれる手に、いっぱいサービスしちゃうんだから。でも、なんだか気持ちよくなってきたかも……。

どうしよう、あたしってば朝からこんな大胆におにいに抱き着いちゃった。

でも、今日のは悪いのはおにいなんだよ。

あたしを二度も馬鹿にしたんだから、これぐらいのお仕置きは必要だよね?

しかも、痛くはなかったけど乙女の顔に、デコにピーンしたんだから。

おにいの顔をみてやれ……あれ、なんだが赤くなってない。

ちょっとまさか、おにいがあたしのこと意識してくれたのかな。

だとしたらうれしいな。

なんだかあれ、涙が出ちゃうじゃない。うれしいのに涙が出るなんて変なの。

あたしどうかしちゃったのかな。

おにいのこと好きすぎて、ダメになりそう。

もう、おにい気づいてよ。

あたしいつも大好きだから一緒にいるんだよ。

学校だっておにいと一緒に通いたいから、同じところ受験したし、大学だって、会社だって同じところ受けてやるんだからね。

あたしのだいだーい大好きな、「お・に・い」今日の買い物はあたしが行ってきます……。

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