第47話 『苦しめてごめん・・』
47
―――
幼なじみの友里と俊哉は同じ保育園を皮切りに何故か縁があり、
進学した高校までずっと一緒だった。
お互いの実家はかろうじて小・中と校区が同じになれるといった
具合だから、当人同士は学校繋がりで幼友達だが、家同士、
親たちの繋がりはほとんどないに等しい。
そしてお互い別々の大学へ進学するも利便性を考えて
駅近のアパートに住んでいた。
保育園の頃、身体の大きかった友里は泣かされている俊哉を
よくかばい、助けてやった。
小学校卒業の頃までその延長線上で仲が良かった。
また二人は保育園で一緒だった友達などと夏になると、
わいわい賑やかに近場にあるプールへ行ったりもした。
今では考えられないことだが、当時は俊哉をはじめ、親しかった同級生は友里を姉御のように慕い一緒につるんでいたものだ。
友里も俊哉も読書好きで小学生の頃は同じ図書係をしていたことも、
ずっと仲良しでいられた要因だった。
そんなだったから中・高と年頃になっても学校や外で会っても
普通に話せる関係性は続いた。
ちょうど男3人女3人という同じような幼友達は他にもいて6人は
小さな頃からの幼友達という括りで、たまに休日会ったりできるような
関係性を築いていた。
けれど皇紀の出現で、ちょうど皆が社会人になった頃、友里が
幼友達の輪から抜け出してしまったのだ。
この頃、俊哉は理系の大学を出て、市役所の土木課に勤務していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます