第43話 『苦しめてごめん・・』
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産後の肥立が悪いという台詞を耳にすることがあるが、私は堕胎後、
体調が回復せず、その日も翌日も寝て過ごした。
このまま調子が本調子に戻らない場合を考えるとよけい一度買い出しに
行っておかないと、立ち上がれなくなる前に。
そう思い身体の様子を見ながら術後二日目に気合を入れ
買い出しに出掛けた。
◇ ◇ ◇ ◇
友里は皇紀の子を堕胎して体調を崩すも、なかなか皇紀とも連絡が取れず。
恋人の皇紀が束縛激しく友里が友人たちと親しくするのを嫌がった為
男女共に6人いた友達とは音信不通になっていた。
よほど誰かに連絡をして助けてもらおうか、とも思った友里だったが、
一方的に恋人の言う通り友達関係を切った手前、都合の悪い困った時だけ
連絡するなんてことはできなかった。
そんな中、どうにか買い物に出た先で幼稚園の頃から高校まで
ずっと同じで友達の中でも一番気心の知れた
遭遇する。
◇ ◇ ◇ ◇
「久しぶり」の言葉を交わして俊哉は通り過ぎるつもりだった。
恋人の為に自分との係わりを切った相手だったから。
すれ違って4~5歩めの足を出したところで友里の声が
背中を追いかけてきた。
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