第26話 『苦しめてごめん・・』

26


 翌日の土曜もずっと朝から友里の妊娠のことが頭から離れず

午後になってもストレスマックスの神尾だった。

 


 最近週末は根米菜々緒と会って食事してホテルへ行くというのが

ルーティン化していたなと我に返った頃、まさにその根米から

誘いの連絡が届いた。



 酔いたい気分の神尾にはジャストタイミングな誘いとなった。


 


 串カツとちょっとした小鉢にみそ汁の付いた食事と併せて

焼酎日本酒を飲んだ。


 自分の前に座り食事しながら根米が何やら楽しそうに話しているが

神尾の耳にはほとんど何も入って来なかった。



 今までは自分を慰めたり助けてくれたりした勇者だと思っていた女が、

同じ女性だというのにいとも簡単に友里に堕胎を勧めた。



 同意した自分のことは棚に上げて神尾は根米のことを酔った頭で

酷い女だなぁと思った。




 神尾のストレスは完全に根米に向かっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る