第22話 『苦しめてごめん・・』

22


 33才と適齢期を少し越してしまっている根米菜々緒が

この時考えていたこと、それは……。



 神尾と深い関係になる前に一度何気なさを装って

恋人はいるのかと聞いたことがあった。



 神尾の返事は『いない』だった。


 だがその後、彼女はいないという神尾に頻繁にメールを寄こす

女性がいることを知り、もう一度恋人ではないのかと聞いたが

ただの同級生だと言う。



 そして今回その友里という同級生から『妊娠した』のだという連絡が

きている。


 ただの同級生を妊娠させるというのか? 

 普通はあり得ない話だ。



 しかも、産んだ時のことまで心配している。


 おそらく付き合っているのだろう。



 だけど自分はそこはスルーをし、どこまでも彼女のことは

神尾の友達ということにしておこうと決めた。

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