第21話 『苦しめてごめん・・』
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あの日の返信から2週間余り後、とんでもない内容の書かれたメールが
友里から届いた。
『子供ができたかもしれない』との連絡だった。
先々月に帰省した時の……と思い当たる節があるだけに
俺の心臓のドキドキが止まらない。
今まで自分から友里からきたメールを根米に見せることは
なかったのだが、この時ばかりは自ら進んで根米に見せ
『困ったぁ~』と愚痴を吐いてしまった。
それは残業でオフィスに残っていた時のこと。
「困ったことになった。
あちらに帰っても長居できないのに、そんな中で
彼女一人での出産や子育てが心配だ」
◇ ◇ ◇ ◇
手に取って俺のスマホの中の画面をジ―っと見つめる根米。
そんなにじーっと眺めなきゃならないほどの文字数ではないはず。
また返信用の文言を能力全開で考えてでもいるのだろうか。
俺は現実から逃避するかのように友里からのヘルプ要請も
うっちゃって、根米の横顔に集中した。
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