弐話 セツメイ

その発言を聞いて、参加者達はざわめいた。中には、野次を飛ばす者もいる。


「デスゲームって、どういう事だ!?」


「説明と違うぞ!!」


「カッコつけが!イキってるんじゃねぇ!」


「お前、ゲームマスターだろ!?」


そんな罵詈雑言を聞きながら、神様…否、ゲームマスターは話を続ける。


「どうやら君達は何も分かっていない様だ。もう俺の手の中にいることを。」


参加者の一人が言う。


「おい!ログアウトボタンがあるじゃねえか。こんな茶番、つき合えないね。」


ボタンを押した途端、姿が消えた。それを見た他の参加者達も、それに続こうとして…その動きが止まった。


「君達もこうなりたいなら、そうするといい。」


空に映像が映っていてそこには………。

やまねは余りの恐ろしさに声が漏れた。 


「…あっ。」


……天井に潰されてたのだろう。ベットは粉々になり、そこにいたであろう人もどこが何なのか分からないほどに、ぐちゃぐちゃになっていた。


…吐き気がした。


「ログアウトまたは、死亡した場合こうなる。覚えておけ。」


参加者は皆黙った。……ただ一人を除いて。


。おいGM、ルール教えろよ。」


ゲームマスターは感心した様に頷いた。


「フッ。よくぞ聞いてくれた!では君達に私からのプレゼントだ。アイテム欄を見てくれ。」


やまねはアイテム欄を見る。一つあった。それをタッチして出現させる。そこには説明が書いてあった。


一、このゲームはデスゲームである。強き者が勝ち、弱き者は死ぬ。


ニ、ルールは単純。どんな手段を取ってもいい……相手を殺す。それだけだ。


三、勝利条件は二つ。一つは、自分以外の参加者全員の死亡。


四、もう一つは、七人いる『固有スキル持ち』を全員殺す事である。固有スキル持ちはゲームスタート時点で一般プレーヤー全員に名前以外の顔や身なりが公開される。


五、身内で協力できない様に、軽い『認識阻害』を参加者全員に付与している。


六、本名を言ってはならない。言った場合は、ペナルティが発生する。


七、体力は食事、睡眠以外でも、各地にある回復アイテムでも回復できる。


八、武器はこの説明書と一緒に配布している。他にも武器は各地にあるのでそれも使ってもいい。


九、ログアウトやゲーム内で死亡した場合、現実でも死亡する。


十、この説明を読み終わり次第、参加者はこの都市の何処かにランダムで転送され、到着次第ゲームスタートである。


「…転送って!?」


やまねは何処かへと飛ばされていった。他の参加者も続々と消えていき、ゲームマスターだけが残った。


「さて、俺も動く………ん?」


よく見ると、一人だけ残っていた。銀色の薄い胸当てをつけて長剣を身につけている白髪の女性が。


「……………………」


ただじっとゲームマスターを見つめている。


「まあいいか。まずは君からだ。」


ゲームマスターは『黄金の剣』を取り出す。その時、女性は口を開いた。


「……あなたは敵?」 


この状況で能天気な事を言ってくる。少し苛立ちながら答える。


「そうだ……俺は君を殺す。」

「………そう。」


ゲームマスターは即座に女性に接近し、剣で斬りつけた。




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る