第2話 猟犬の棲み処

 東京都千代田区霞が関 2-1-1 通称「桜田門」、地上18階、地下4階建ての庁舎その地下十三階・・・・・警視庁特殊事件広域捜査零課トクレイは有った。


 地下四階より下層一階層ずつ階段を下る度に厚さ1m程の隔壁が設置されているのを横目で見ながら三室戸に続いて階段を下りる。


「複合重合金製の隔壁だ。本来はシェルターとして作られたそうだが…お前らをいざというときに閉じ込める格子のつもりなんだろう。正直役に立つとは思わんが」


「そうね」


「貴様なら何秒で抜けられる?」


「最短なら一瞬?」


「そうか…」


 幾層か毎に注水口やガス放出口らしきものも見えるが正直言って『自分達が想像している怪物・・・・・・・・・・・・』相手に効果があると思っているのだろうか?


 最下層、移動に合わせ点灯・消灯していく明かりに照らされ廊下最奥の扉を開けると室内灯が自動点灯する。


「此処が貴様らの巣と言うわけだ。元シェルターだけあって寝室、浴場、トイレにキッチンも奥に備えている。まぁ脱出口非常口は念入りに潰されているがな」


「そんなに私たちオーバードが怖いのかしら?三室戸さんだって非オーバードなのに多くの怪物フリークスを葬った魔術師・・・と聞いてるけど?」


先人の智慧魔術・念入りな準備・数多の物資・貴重な人材部下…多くを費やして漸くだ。推定で指先一つ動かさずに街一つ滅ぼすだろう貴様と比べるな」


「でもれなくはない…でしょ?」


 不機嫌そうに鼻を鳴らすと三室戸は顔を背け「割に合わん…」と小さく零した。


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