第4話 情報収集

たくさんのことが聞きたいけれど、森を通り抜けるのは何よりだ。


俺に殺された騎士に目を向け死体が泥だらけの土地にくまなく散乱していた、騎士方に属する二台の馬車が破壊されちまった。一台が逃げたみたい…詳しく観察するとおかしい状況を気づいた。


それは断切され散じた部位の切れ目に血がなくなって徹底的に放血されたように怪訝な光景。


しかも、マリーの体から発した桃の香りみたいな甘さと違って先に嗅いだ蜂蜜のような甘い香りは消え涎も垂れなくなった。


もしかして先程のが騎士の奴らから発散した?


その疑問を持ちながらマリーに問いかける。


「マリー、どうして死体の血は消えたんだ?」


「あ、あのランス様…ランス様はバフダ帝国騎士との戦闘は忘れたんですか?」


「ちょい戦いに集中しすぎて起こったことを気にしないんだ」


「わかりました。では説明をさせて頂きます。先のバトル中で騎士たちの体から流された血がランス様の黒い剣と鎧にすっかり吸収されてしまいました」


なるほど、狂って見た幻像に関して間違いない。しかし、幻像の俺はだれだ?奴らの血を飢えてるのはあの見知らぬ人に受け継いた恨みというか狂気というか…いろんな複雑の感情が交わってる。彼は俺にシリアルキラーって職業を授ける代償として彼の意志を継承しなければならんみたい…ただし、彼とバフダ帝国の因縁を知らないと何もできない。


「うん。それじゃ、バフダ帝国とベレリンア王国の情報を教えてやれ」


「はい。ランス様」


バフダ帝国は森の北部大陸にありドロポスという宗教を国教としてる。帝国だけでなく大抵の人類はドロポスの信者なんだ。その故にドロポスによって刻まれた歴史は正史と見られてる。


人類の誕生とそのあとの歴史はドロポス教のスヤル聖典に記録された。


聖典によって神に作られた最初の種族は人類でありながら最も愛されてる種族であった。それに人類が生存させるために、暗闇を切り開いて光を世界に差し込まれたのみならず海と陸地を作り上げた。けれど、人類の欲望がまだ満たせなかった。いつか人類は神の力と知恵を望んで神の庭に忍び込み力を盗んだ。彼は全知全能ため、すぐに人類の仕業を気付いた。


意外なことは神が人類を直接的に懲罰しなかった。その代わりに魔族という残酷非道な種族を創造した。


魔族の肉体と膂力が人類に優れた上に生命力も人類と大きく異なり人類に対して致命傷が魔族にとってたった軽傷であった。首が掻き捌かれ深く傷つけても腹部が切り裂かれて臓器は外に漏れても健気に戦えた。おまけに奴らは人類に対してあまりの悪意があるんだった。奴らと接触した後に戦争になった。


魔族との戦いは万年の大戦争と称されてる。あの長い時期には数え切れない人類王国が滅亡され、遺民が家畜とされて飼養し一定の標準に達したら食料として魔族に食らわれた。生残者は美人だったら性的奴隷とされ奴らの恐ろしい性癖を満足させた。


最悪の場合には大陸八十パーセント以上の領地が陥落した。こういう絶望な際に神は人類が遭った苦難と裁いた罰を満足し人類に勇者を送り込んだ。勇者の名前はスペスであった。彼は人類を率いて魔族を反撃し始めた。長々しい時間をかけて奴らを殲滅し人類も彼の旗に統一された。大陸を支配する唯一の国、バビロン帝国が生まれた。


が、とんでもない裏切りは平和を潰した。万年の大戦争の間に人類と魔族のハーフが乱暴に繫殖しその雑種は獣人と呼ばれた。獣人が人類の統治を不満し逆らって帝国の野心家と同盟を結んだ。莫大な内戦を引き起こして帝国を分裂させ獣人の国々もこれをきっかけに作った。人類はもう一度統一されなかった。昔の惨事が再び起こった。


こいうい事態は神の望みではないため、神が再度人類に使者を派遣した。その人、第一代教皇のペテロはドロポス教を成立し人類至上主義を掲げて人類の統一と獣人の絶滅をなすために、布教活動を行って数多くの信者を生み出したけれど、今回人間の王は権力を放棄はしなかった。さらに、教皇との衝突と戦争を起こした。結局のところが諸王は教皇と折り合ってリパス条約を締結した。教皇が人類の精神を導くでありながら一部の土地がもらって教皇国を築いた。同時にドロポス教が国教をさせた諸国の王は教皇に正統性をもらえた。


諸国の中でバフダ帝国は由緒があって千年帝国のあだ名が付けられた。古い歴史がありながら大陸にて最強の国である。


そうしてマリーは十三歳の際に彼女の家族が帝国によって自分の力を増やすために、政略結婚させバフダ帝国のとある子爵に嫁いだ。


政略結婚において幸せになれる人は少ない。マリーはただ血筋が継げる赤ちゃんを生み出す工具とされた。初めのセックスで妊娠を成功したけれど、産んだジャンヌは男ではなかった。なおかつ子爵の愛人が男を出産して家族を長男とされため、マリーは迅速に捨てられ部屋に足止めされた。


これは最悪ではなかった。二ヶ月の前にマリーが獣化の跡、金色な両眼の一つが緑に変えてオッドアイとなって使用人に発見された。子爵はこのチャンスを逃さずに彼女を教会に送り込んでマリーを処理してもらった。ですからマリーとジャンヌは教会に奴隷とされ他国に販売するつもりだった。俺は彼女たちを救わないと、悲惨な運命がつけられるに決まってる。


「うん。状況は分かったけど、どうしてベレリンア王国に行こうとしてるんだ?」


「王国はハーフと人類が平和に生活できる国と聞き出してその国もラスピーズ森に遠くないですので、ランス様に王国まで護送させて頂きたいです」


「ママ、ママ。ジャンヌもママとランス様にいっしょに行く!」


「ジャンヌ、今ママはランス様と真面目な話をしてるわ。割り込むのはダメだよ。ほら、ちゃんとランス様に謝って」


「う…うん。ランス様、ジャンヌは悪いことをしました。本当に申し訳ございません」


「王国への護衛としてはいいぞ。しかもマリー、ジャンヌに対してそんなに厳しい必要がない。先に言ったはずだった。ジャンヌはこの間に俺をお兄様としてもいいよ」


「はい、ランスお兄様」


「ランス様、娘の無礼を許して頂き誠にありがとうございました」


マリーの返事にこくりと頷いて柔らかい雰囲気が出てるのを察して彼女たちの頭に手を当てて優しく撫でる。


「二人ともここまでよく頑張ったよね、これから全ては俺に任せて」


二人も目を閉じてなでなでを楽しんでるが。


「えへへ…ランス様もっと撫でてくさだい」ってマリーは俺を抱きしめながら胸を擦ってる。


なんとなくジャンヌはマリーと比べて大人っぽいかもしれん。


そういうことを考えながら彼女の無意識に零れる願いを聞き届け無言になって撫で回してた。


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