第6話 砂プリン その3

こうして戦闘が始まった。一応ゲームなだけあって、一応配置は俺がセンターだ。だから何だという話ではあるのだが。

まずはこっちのターンらしい。まずはGUIを確認する。視界の下に、パーティーのステータス。そしてその隣にコマンド選択の画面がある。だいたい腰の前あたりに浮いていると言ってもいいだろう。

『たたかう』『スペシャル』『マテライズ』『ガード』の4つがあり、3つ目のマテライズはどうやらコマンド選択の画面上にある幾何学模様の青いマークがそのゲージなのだろうか。どうやら今半分ほどあるようだ。

とりあえず順番的に黒騎が最初の攻撃っぽいのでまずは見てみる。

黒騎はコマンドセンターを軽くなぞったと思いきや剣を召喚し、右の男に切りかかった。次はどうやら自分のターンのようだ、とりあえず見様見真似で『たたかう』のあたりを触れてみる。

すると俺も体が勝手に動き出し、剣を召喚して真ん中の男に切りかかった。11ダメージと大きくもないが小さくもない、のだろうか。

美月も同じような動きで敵に攻撃をした。

今度は相手のターンのようだ。敵には選択ターンがないのか、速攻で黒騎を2回、俺を1回切りつけて、戻っていった。

そしてこちらのターンが回ってきた。今度は黒騎は別の動きをして、杖を取り出した。某ポッターのような短い杖ではなく、野球のバットくらい長い、あのよく長老とかが振り回してそうなヤツだ。そして

「エルオスティス」

と呪文か何かを呟いた。すると急に竜巻を横向きにしたような風が起こって、一番右の敵を貫いた。黄緑のエフェクトと共に敵が数メートルふっとばされた。

俺は何が起こったのか一瞬分からなかったが多分大ダメージを与えることができたのだろう。

そして次は自分のターンだが全く何も分からなかったので、さっき黒騎が攻撃した敵に『たたかう』でダメージを与えた。美月も同じように攻撃をしていた。

そして相手のターンは同じように攻撃をしてくるだけだった。この世界は不思議なもので殴られても衝撃を感じるだけで痛みがない。さすがゲームの世界といったところだろうか。

今度の黒騎は普通の攻撃をしただけだった。俺は2番めの『スペシャル』が気になっていたので触れてみた。するとそこの画面だけ切り替わって

『もう一度』『刺す』『乱斬り』『会心』の4つがあった。とりあえず一番消費SPが多いらしい『乱斬り』を選択した。一番強そうだったからだ。

すると俺のSPゲージが半分まで減って、体が急に動き出し、真ん中の敵を3回切った。合計33ダメージと悪くない数字だ。

そして美月はさっきと同じように敵に攻撃した。真ん中の敵は倒れ、そのまま薄くなって消えてしまった。

残りの二人は3人の通常攻撃で倒した。どうやら何もおこらないからミッションクリアのようだ。眼の前に『勝利』という画面とともに『撤退する』のボタンがあったのでそれを押す。

すると意識がフッとさっきの戦闘前の位置に戻った。

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ネイションワイド・ローグライク 道 原子 @genshimini

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