第6話 親友

 日に日にやつれていく私を見て親友が話しかけてくれた。


「最近元気ないけれどどうしたの?」


私はもう無駄だと思って黙っている。


「……」


「どうした。最近元気ないからどうしたか心配なんだよ。せめて返事ぐらいしてよ。親友でしょ。」


私は親友という言葉に少し揺れた。もう一人で抱えられないぐらい不安と絶望で心が満ちてしまっている。もう誰かに言いたい。でも言われた方が困るだけだ。でももう耐えられない。親友という言葉にすがることにした。


「…笑わない?」


「うん、本当に笑わない!神に誓って笑わない!」


「本当に...。」


もうなんだか私の目は涙であふれていた。


「絶対笑わないよ。」


「じゃあ話すね。」


 私は少し説明したあと、彼とのことを書いたノートを見せた。親友は一瞬驚いたようだったけれど、ゆっくりノートを全部読んだ。そして私の方を見た。


「ここに書いてあることは本当なんだね。」


「うん…。」


「じゃあ信じるよ。私に嘘をつかないもんね。」


「ありがとう。」


 私は聞いてもらったり、現状を共有できたことでスッキリした。


「今まで誰にも言えずに大変だったね。よく頑張った。」


「ありがとう。」


「きっと彼のことが好きなんだね。」


 親友に言われてハッとした。そうかそうなのか、私は彼のことが好きなのか。もう一度会いたい。自分の気持ちを伝えたい。確かに冷静に考えたら、もう彼のことは好きになっているんだ。

彼は私に気持ちを伝えてくれたけれど、私はそれに自分の気持ちを伝えていない。もう気持ちを伝えることはできないのだろうか。

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