第6話 学校
昨日はあのあと彼に送ってもらって、もう一度パパとママに説明していた。パパはまだ怪訝な顔をしていたけれど、お付き合いを認めてくれた。二人の気持ちが大事だけれど、もし娘に何かあったら星が相手でも戦うと言っていた。勝てるわけないのに。
そのパパに一生かけても幸せにしますと約束していた。彼は星を率いる王子様なのだと感じた。星の王子がパパにちゃんと敬意を払っているのが伝わったのか、パパは上機嫌だった。
ほっとしたと思ったら、その日はぐっすり寝てしまった。ぐっすり寝たのに朝疲れが取り切れていなかった。ぼぉ〜っと学校に行くと前に座っている親友が、
「今日転校生来るみたいだよ。」
と言っていた。
「この時期に?転校生?珍しいね。」
「女子なら友達になりたいね。イケメン男子でも友達になれたらいいな。」
「何勝手なこと言ってんの」
チャイムが鳴り、先生に続いてやってきたのは「彼」だった。
わたしが
「あっ!」
って立ち上がると。親友が
「また立ってる。座って座って。」
とみなの笑い声の中、諭されてしまった。
先生が星の王子を紹介し、私の隣に座る。
「君を知るためにここにきたよ。」
真っ赤な顔をしながらうつむいていると、親友が冷やかしてきた。
イケメンで誠実な彼の周りには人だかりができて大変だった。それなのに全部学校のことを私に聞きついてくるから疲れた。
何とか放課後になり家に帰る。まだ彼がついてくるので早歩きで離れると、ずっと家までついてくる。
「明日から、私の家まで送らなくていいよ。」
と顔を赤くしながら言うと
「僕の家ここだから。」
と隣の家を指して言う。1週間前にお隣さんが引っ越して寂しいと思ったのだけれど、そう言うことだったのね。
唖然としている私をよそに、彼がニコニコしながら自分の家に入っていった。
「どうすんの〜。」
私の虚しい心の叫びは
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