地球が好き(ほしがすき)
第1話 突然
それはある日突然やってきた。何の前触れもなくいきなりだ。朝起きたらパパとママが何やら騒いでいる。動物園のパンダが逆立ちでもしたのだろうか。
「ママどうしたの朝から…。」
テレビに釘付けになっているママに話しかける。
「何だか月の軌道上に未確認飛行物体、UFOがいるみたいなのよ。」
「何それ?何かの見間違いじゃないの?」
そうしてテレビを覗き込むと、どこか今、夜の国からの中継が入っている。そうすると月の横にモヤモヤとしたキラキラとしたものが見える。何だか小さなもの他たくさん集まっているみたい。
「何言っているの、どこの国でもこのニュースしか流していないわよ。」
「あのモヤモヤしたの何?」
と言ったところで、ある天文台からの望遠鏡からの映像が入ってきた。
それはたくさんのっ空飛ぶ円盤、まさしくUFOがたくさんあり、真ん中には母艦のUFOがあるようにみえる。
「これってUFOじゃん。宇宙人がいたってこと?」
「ママにもわからないわよ。今、国連で総会中だから、各国の代表が集まって今後の対応考えているみたいなの。」
「ということは本気で宇宙人?」
「そうそう、学校からの連絡メールで、今日は自宅で待機みたいよ。」
「なあんだ、早起きして損した。」
「何言っているの、地球がこんな一大事な時に寝てる場合じゃないでしょ。」
「でも私じゃ何ともできないよ。」
「それもそうね。ママにもどうにもできないわね。でも落ち着いてなんかいられないわよ。」
昼ぐらいまで特に動きはなかった。一地方の田舎に住んでいる私には、いつもの風景が広がっているだけだった。昨日の夜も星空を観測していた。大きな望遠鏡は持っていないけれど、小さな望遠鏡で土星の輪や木星のガリレオ衛星などを見ていた。そのせいで夜更かししていたので少し眠い。パパの会社に行ったけれど、一大事ということで帰ってきていた。
3人でお昼ご飯を食べながら話していた。
「パパのところも自宅待機なの?」
「うん、行ったら1時間ぐらいして自宅待機に変わった。結構そういうところが多いみたい。帰ってくるときそういう人たくさんみたよ。」
「そうなんだ。学校は、はなから行かなくてよくなったので楽でした。」
「学生は楽でいいねぇ。」
「何言っているの、この子の勉強が遅れちゃうじゃない。早く再開してもらわないと。」
「え〜、もう少し自宅待機がいいなぁ。期末試験も近いし。」
「お母さんところも自宅待機にはなったけれど、そうずっとやられたら困っちゃうわ。だって、スーパー行ったらけっこう保存食は無くなってたわ。私は野菜だけだったからいいけれど、レジも並んで大変だったんだから。」
「うちは大丈夫なの?」
「まあ1週間ぐらいは大丈夫よ。災害用のストックがあるのよ。」
「さすがママですね〜。」
「パパがたまに食べているの知っているわよ。ちゃんと補充しているからいいけれど。」
「いやいや賞味期限切れそうだから新しいの買って、古いのを食べているだけだよ。」
「どうだかね〜。」
そんなたわいもない話をしていたら、テレビのニュースが騒ぎ始めた。どうやら月軌道上のUFO動き出し、地球の大気圏近くに迫ってきているらしい。
「何か動くことがあるのかな。」
国連や世界各国のトップがいろいろ話している。その大気圏の外側、まだ宇宙空間に移動してきた。その状態が3日間続いた。そのあと各国首脳が集まって決めたことがある。これ以上UFOが地球に侵入しようとしたら、核ミサイルを全部打つということだ。各国はミサイルの準備をして、UFOの動きに注目していた。
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