第3話 午後の授業

 午後の物理の授業。宇宙飛行士になりたいなぁなんて思っていたから、なんとなく取っていた。もう物理なんて完全に数学じゃないか。いろいろなものが数式で表され、それに基づいて理論を固める。人ひとりを宇宙に飛び出させるのに膨大なエネルギーが必要なことも知った。

 

 今日は学期終わりの少し余った授業なのだろうか、先生が作ってきた資料や動画を見ながら説明を入れている。もちろん部屋は暗い。午後の授業お腹いっぱいで部屋を暗くされたらもう寝るしかないではないか。

 

 私はいつの間にか夢の世界に入っていた。そこはなんだか宇宙空間のよう。ふわふわ無重力で足がつかない。手足をバタバタさせても前に進めない。だんだん重力が加わってきて下の移動し床に寝ている。


 起きるとアップのアインシュタインがあかんベーをしながらこちらに走ってくる。


「なんだか怖いんですけど。」


と言って逃げる。いろいろ逃げたけれど追いかけてくる。なんなんだろうか。先の角を曲がったら永遠に続くような長い廊下。その両側に扉がついている。なんだか永遠に続くホテルの廊下のようだ。


 もう後ろからアインシュタインが迫ってくる。この長い廊下ではすぐに見つかってしまう。どこかに入らないと。でもみな鍵がかかっている。走っているうちに「シリウス」と扉に書いてある鍵が壊れかけている扉を見つけた。


 ここだ!と慌てて入ると雷に打たれたようにビビビッ!と電気が走る。驚いて立ち上がってしまった。そこはいつもの教室。みんなに笑われてしまった。でもそのときあの夜の記憶が一気に流れ込んできた。

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