第18話
教室に着くと、俺に話しかけたそうに見てくるが、もうチャイムが鳴りそうなので、話しかけてこない。そしてそのまんま日本史の授業が始まり、和装をした伊賀先生が入ってくる。ほんとここの高校は生徒の自主性も重視するが、先生も自由だよな。普通は授業をするなら、私服で来るしな。
そして県内でも有名な伊賀先生の日本史の授業を受けたあと、誰にも話しかけられないように、イヤホンをして寝てる振りをした。こうすれば話しかけんな、寝ているからということができる。
そして誰にも話しかけられずに、6限も終えて、帰る用意を素早く終えて、教室をでた。るなもに帰りの挨拶ができなかったのが心残りだった。まぁでも仕方ない。あのまんま教室にいると問いただされるのは目に見えてるからな。
「今日は図書館で勉強でもするか、その後、明日は土曜日だから、るなもとのデートがあるから、デートスポットを考えて、早く起きるか」
るなもは男友達と出掛けるぐらいにしか考えてないだろうが、俺とっては一世一代のデートである。ここで好感度は何がなんでも上げておきたい。
俺は駅に着くと、流鉄に乗った。声優の癒される声を聴きながら、幸谷駅まで向かう。やっぱり声優の声って耳心地がいいよな。やはりプロはレベルが違う。周りの生徒達は談笑をしているが、この声優の声を堪能しないなんて、高校生活の半分は損してるぞ。
声優の声を堪能していると、あっという間に終点の馬橋駅に着いて、俺はここで降りた。駅員さんにお金を渡し、改札をでる。そして階段を上がると、乗り換えの改札が見えてきたので、スイカでタッチして通る。
デートどこ行くかね。まず秋葉に行くなら、アニメイトは外せないよな。その次はゲーセンだな。後はるなももアイドルが好きだし、アイドルショップだよな。それと神田明神もいいな。秋葉はこのくらいか。後は夜景は千葉市だな。聖地巡礼で行ったことがあるが、夜景が綺麗な場所があったからな。夜景だと東京もいい場所があるんだろうが、秋葉以外だと東京はよく知らないから、よく知っている千葉市の方がいいだろう。
「考えるだけで楽しくなってきたわ。明日は懸命にアピールをしようか」
そんなことを考えていると、電車が来たので、それに乗った。そして松戸駅に着くと、降りて、改札をスイカで通り、図書館に向かった。松戸の図書館は松戸市民じゃなくても自習室を使えるのはいいよな。空き時間に本を自習室で読むこともできるし。
図書館に着くと、俺はエレベータで、自習室に向かった。本を借りるのは後てでいいだろう。今はフランス語の単語の最終確認と、古文をやらないとな。
エレベーターが上がり、自習室の階に着くと、俺は降りた。学校をでてすぐに来たからか、まだ高校生は少ない。テスト前になると、いろんな学校の高校生が自習室に来て、席がなくなるから、早く来て正解だったな。
俺は真ん中付近の席に座り、参考書と単語帳を広げた。まずはフランス語単語から、やっていくか。
そして数十分ほどウォークマンで音を聴きながら、単語を確認していると、肩を叩かれた。俺何かやらかしたか?音がうるさいとか。俺はそう思って謝罪をしようと思って、後ろを向くと、るなもが笑顔で立っていた。
「え?るなもどうしてここにいるんだ?」
まぁ普通に考えて、勉強しに来たんだろうが、できる場所は他にもある。それに図書館で勉強できることを知っているのは地元の人間かアニメで知ったとかくらいである。
「私松戸に住んでいるんだよ。だから図書館で勉強できることは知っていたんだ。いつもは学校の図書室でやってるんたけど、向井くんが来そうだから、こっちでやろうと思ったんだよ」
向井ならあり得るな。あいつ頭は良さそうだから、勉強教えるよとか言って、近づいてきそうだ。まぁるなもに教えられるほど低い科目はないがな。古文が多少点数が低いかなとゆった感じだ。
「そうか、それじゃとなり空いてるからいいぞ」
わざわざ友達なのに他のところに座らせるわけにはいかないしな。それにるなもは目を牽く美少女だ。いるだけで周囲の視線が集まり、誰がナンパしてくるか分かったもんじゃないからな。
「それじゃとなり失礼するよ」
そう言って、るなもはとなりに座った。めちゃくちゃいい匂いが漂ってくる。勉強に集中できるだろうか。るなもは集中して、勉強をしているので、俺も理性を奮動員しながら、何とか耐えて勉強に集中し始めた。
そしてフランス語単語帳が終わり、数学の参考書を取り出した。さすがに赤点は不味いからな。最低限の点数はとっておきたい。外国語が、フランス語と英語を選べてラッキーだったわ。これで英語まであったら、留年することになっていた。
数学をやっていると1次関数のところでつまづいた。やっぱり数学は無理だ。高校受験のときは過去問を解きまくって対策をしたから、なんとかなったが、今回は過去問がないから、ちゃんと理解しないといけないから、大変なのだ。
「そこ分からないの?教えようか?」
るなも顔をひょっこりノートの前にでて言ってきた。なにそれめちゃくちゃ可愛くて、萌えちゃいそうだった。天使は何をやっても天使だ。
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