第7話

帰る支度を終えると、果林の方に向かった。果林は俺の方に嬉しそうに駆け寄った。


「よくやりましたわ。遥斗」


「三振を取ったことで、みんなが慰めていたのにたいして、果林だけは別の対応でもして好感度を上げたのか?」


「そいうことですわ。慰めるのではなく、あの遥斗を本気にさせ互角に渡り合ったのはすごいですわ。やっぱり遥斗のライバルは智輝ですわねと言ったら、嬉しそうな笑みを浮かべていましたの」


慰めるんではなく、讃えたのか。確かに悪口とか下心あって、慰めてくるやつよりも誉めてくれた方が嬉しいよな。実力を認められたってことだしな。


「俺はるなもにアピールするために本気でやったまでだ。果林にもプラスになったならそれでよかったが」


果林は他の女子とは違うという認識を智輝に与えることができただろう。最終的なライバルは四条になるだろう。智輝も特別な存在として、四条を認識しているし。


「結果的に上手くいったんだから、ナイスですわ」


これからも精進しよう。まだまだ智輝は進化を続けるだろうから、俺も負けてられない。まだまだ成長して見せる。それが果林のためにもなるなら、尚更だ。俺はこれからも成長しようとやる気を漲らせていた。

 

「それじゃそろそろ帰りますの」


「そうだな、果林は俺と帰っていいのか?智輝と帰りたいのと、勘違いされると面倒じゃないか?」


「いえむしろ勘違いされる方が都合がいいですわ。告白という面倒ごとも減りますし、智輝は勘違いしないので。他人の気調には気づきやすいので」


そういえばあいつ他人の恋愛感情には結構敏感だったな。自分に向けられるのも敏感だし。まぁイケメンで、好意を向けられることが多いから、敏感なんだろう。よくモテる主人公はなぜか鈍感だが。そもそも自分に自信がないから、好かれるっていうことがあり得ないと思っているんだろう。実際に主人公はイケメンじゃないケースが多いからな。


「腐るほど告白されてるからな。好きな人いるって言っているのに、未だに告白は絶えないからな。それなら付き合ってるように見せかけて、告白を止めようということか」


効果はあると思うが、敵意が俺に向きかねないんだよな。幼馴染みだから、中学までよく向けられていたから、びびったりはしないが、嫉妬で嫌がらせをしてこなければいいんだが。


「そいうことですわ。ここは進学校だし、嫌がらせをしてくるような人はいないですの」


嫌がらせしてもばれて、先生に監視されるだけだから、やるやつはいないか。デメリットの方がでかいし。感情的になるやつは少ないだろう。もし嫌がらせが起きてるなら、既に智輝にいっているはずだからな。周りの美少女達に嫌われるから、やんないというのもあるかもしれないが。


「それもそうか、それならそう見せるのはいいぞ。るなもも勘違いしないはずだし」


るなもは自分に対しての好意は鈍感だが、

他人が他人に向ける好意には敏感だからな。自分に大しての好意に鈍感なのは、美少女という自覚がないのと、中学のときに勘違いして振られたというのかあるからだ。


「それなら智輝くんが、勘違いしない程度に一緒いるんですの」


「そうだな、それで今度るなもと出掛けることになったんだが、なんかアドバイスと服を選んでくれないか?」


「それなら、とりあえず誉めることですの。それとちょっとした優しさやサプライズがあるのもいいと思いますわ。服は今日見繕いに行きますの」


「了解、そろそろ視線が痛いし、移動するか」


まじでなんであんなやつがという視線をかなり浴びる。果林は智輝が好きだから、俺に嫉妬しても仕方ないがな。イケメンじゃ嫉妬しても悲しくなるだけなんだろう。俺みたいな普通のやつなら、自分にもチャンスがあるかもしれないから、嫉妬するんだろうな。


俺達は教室をでて、下駄箱で靴を履き、学校をでた。駅に着くと、相変わらずの嫉妬の視線を浴びながらも果林は気にした様子なく、どこに行こうですのと、言っている。松戸駅だとRight-onだったりユニクロだが、おしゃれするなら、もっといいところがいいんだろうな。果林は俺と出掛けると、服装をチェックしたりするからな。


「テラスモール行きますの。あそこなら値段的にもそんなかからないし、よさげな店がたくさんありますわ」


等やら俺の金銭感覚で、服を選んでもらえるらしい。これでブランドものとか、果林の感覚で選んでいたら、俺の財布が空っぽになっていたな。


「それならテラスモール行くか、っとちょうど電車が来たみたいだし、乗るか」 


俺達は流鉄に乗って、幸谷駅を目指す。声優の声が響いて、なかなか耳心地がいい。声優の声って、やっぱり癒されるよな。そんなこと思いながら、果林と話していると、あっという間に駅に着いた。俺達は降りると、テラスモールに向かう。


「果林はどいう系の服でコーディネートしようと思ってるんだ?」


「知的な感じですわ。後前髪を上げてもらえるともっとよくなるので、ワックスですわね」


見た目を賢くするってことか。実際はそんなに賢くないが、ナンパ対策にはなるかね。それにるなもも賢い人好きっぽいし。俺はどんな服をチョイスするんだろうとワクワクしながら、果林の隣にいながら、楽しみにしていた。前髪かけ上げるのが似合うかは分からないが。













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