第3話

「そいうことか。あいつらに聞かせたら、邪魔をしてくると思ったんだね。それで中庭なんだね」


「まぁそいうことだ。明らかに聞かれたら、めんどくさくなることを間違いなしだからな」


ついでにこれを奏の耳にも入らないようにしないとな。あいつに俺が果林とでかけるとなるともっとめんどくさくなる。間違いなくストーカーをして、適度に邪魔をいれてくるだろう。果林に頼まれた分役割は全うしたい。


「分かった三人で一緒に行こう」


まぁ途中でとんずらした後も後ろからストーカの如く上手くいっているか確かめる予定ではいるが。智輝はよく逆ナンをされるが、果林が近くにいたら、さすがに誰もしてこないだろう。果林を越える可愛さを持っていると思ってるやつは少ないだろうし。


「それじゃ行く場所はこっちで決めておく。そろそろ教室に戻るか」


「そうだね、あまり一緒にいすぎると、あいつらうるさいからね」


智輝は弁当を片付けて、俺はゴミを袋の中に入れた。デートスポットは果林と要相談だな。あいつが行きたいところに行かせてやりたいからな。それにデートスポットとか俺じゃ全然知らないし。果林ならその辺流行に敏感だから、いいデートになるだろう。問題は美少女達に見つからないかだな。見つかったら、間違いなく邪魔をしてくる。るなもはそんなことはしないと思うが、他のやつがな。面倒だからな。


俺達は教室に戻ると、美少女達に睨まれた。自分達の至高の時間を奪われたとでも思っているんだろう。だが智輝が判断したことだから、責めるのは違うがな。それを分かってるから、何かを言ってくるやつはいない。


すると、前からるなもがやってきた。めちゃくちゃ可愛い。やっぱり天使と言っても過言じゃないだろう。るなもほど可愛いやつはアイドルにしかいないんじゃないだろうか。


「何話してたの智輝くんと」


「一緒にどっか行こうぜと言っていたんだ。めちゃくちゃ他の女子からは睨まれているが」


「まぁみんな智輝くんが大好きすぎるからね。私も好きだけど、あれはもう仲良くするなら、他の男でも許さないっていう感じだね」


全く同姓ぐらいは別にいいだろうが。そんなんだから、智輝の男友達ができないんだよ。あいつ結構気にしてるんだぞ。サッカー部も部員としては仲良くやっているが、一線を引かれている気がするって言っていたからな。


「まぁ睨まれるのは一年時からだから、気にしたりはしないが。るなもが俺に嫉妬をしなければそれで問題ない」


るなもに嫉妬されて嫌われたら俺は生きていけない。それだけるなものことが好きなのだ。美少女で俺に好意的な同級生は果林とるなもしかいないからな。それだけ俺は智輝好きの美少女に嫌われている。マジで嫉妬深すぎだろ。


「私は男の子に嫉妬和しないからねぇー。同姓ならでかけても何か間違いは起こんないし。そこまで束縛すると逆に智輝くんに嫌われるし」


智輝も苦労してるような雰囲気を美少女と話しているときは醸し出しているからな。特に小長井凛には苦労してるんだよなぁー。あいつの嫉妬深さは異常だし。まさにヤンデレと言っても過言じゃない。そんなこと言ったら、奏もヤンデレだが。俺に近づく女子は滅しようとしてるし。近づいてくる女子は少し話しただけでも反応する。


「まぁ普通はそう思うよな。まぁ俺だから問題ないと判断してるかもしれないが」


俺はバックに中心人物がいる訳じゃないし。まぁ智輝と仲良くしてるから、いじめられることはないんだが。話しかけられることもないがな。だからこうして、普通に話するなもは貴重だ。しかも好きな人だから余計にだ。


「どんな人にも敬意を払うべきだと思うけどなぁー。異性に嫉妬は分かるけど、同姓に嫉妬はしてもストレスが貯まるだけだし」


「まぁ智輝も嫌ってはないから、問題はないんじゃねーか。俺も実害は出てないし」


まぁ目の前でいちゃいちゃするのはやめてほしいが。特にるなもとされると心に来るものがある。胸がずきずきするんだよ。これが胸が苦しいってことなんだろうな。


「それならいいけど、いじめられたら言ってね。何がなんでもその人達から、守って見せるから」


好きな人に守ってくれるほど大切に思われて嬉しい。だが男として守られるだけじゃダメだ。いじめられたときに自分の身は自分で守れるくらいには強くなろう。それにるなもも他の美少女達から、智輝と仲がいいから、嫌がらせをされる可能性もある。そのときに守れるだけの力はつけておきたい。


「それはありがたいが、るなももなのかあったら言えよ。少しは手助けをできるかもしれないし」


るなもはありがとうと言った後、自分の席に戻った。そして午後からは体育だから、女子達は体操服を手に取り、更衣室に行った。俺は運動はそこまで苦手じゃないし、智輝と組んでも美少女達からの睨みが来ないから、少しは楽である。


俺達男は教室で着替え始める。すると智輝が笑顔でこっちに寄ってきた。相変わらずの爽やかな笑顔である。ちょっとムカつくな。なんでも絵になるのはずるい。神様は智輝に何物も与えた。この世に平等などないということを思い知った。せめて俺のことをイケメンにはしてほしかった。







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