第2話

「俺魔法少女にはならないぞ?中二病になるには遅すぎるんじゃないか?俺はもうそれを小学生で経験してるぞ」


いきなり美少女幼馴染みが中二病発言をした件について。そもそも果林はアニメを俺と幼いときから見てきたはずだが、まさかこの年で中二病を発現するとは、なにか感動するものでにも出会ったのか?


「誰が中二病ですの!あのアニメは小学生の頃に見てから、もう見てないですわ。それと契約というのは私が付き合えるように遥斗が協力をして、私は遥斗がるなもと付き合えるような協力するってことですわ」


「それなら最初っからそう言えよ。てっきり中二病にかかって、キャラに迷走してるのかと思ったぞ」


「私はお嬢様キャラを確立してますの。迷走なんてするはずないですわ」


果林は本物のお嬢様だ。大企業の社長令嬢ってだけだなく家柄も平安時代から続く貴族の家系だ。もちろん戦前までは華族に列していた。それくらいのレベルだ。なんで俺がそんなお嬢様と幼馴染みかと言うと、父さん同士が親友だからだ。どっちも難関中高一貫校の出身で、どっちも東大出身だ。そして果林の父親はイケメンらしい。そりゃ果林みたいな美少女が生まれるはずだ。


だが血の繋がっているはずの遥は美少女なのに、俺はフツメンという。これは恐らく遥が母親に似たからだろう。だが頭脳は父親に似たといういいとこどりである。ちなみに俺の頭脳は母親似だった。どっちかは優れている方に似たかったよ。


「まぁお嬢様だが、好きな人には積極的という。それとその契約乗ったぞ。俺にも利点はあるしな。果林は女子の好みを熟知してるからな」


果林ほど女子心と男女問わずの流行に敏感な女子もいないからな。そして果林からしたら、俺がるなもに好かれれば、智輝と付き合える可能性が広がるからな。両者ウィンウィンってことだ。


「それなら、まずは私が二人きりでデートをできるようにしてほしいですの」


あいつの回りには常に女子がいるが、俺はイケメン憎しだが、智輝とはそれなりに仲がいいからな。二人きりにすることは難しくない。俺が智輝と仲がいいことを踏まえて、俺に頼み込んできてるのだろう。他の男は智輝にたいして嫉妬したりそもそも美少女からあまりいい顔をされないから、関わってる男は少ない。


「とりあえず休み時間に話し合ってみるわ」


そういうとチャイムがなり、俺達はそれぞれの席に座った。そして先生が入ってきて、不審者が出てるから、気を付けるようにと言ってあくびをしながら、去っていった。そんな態度でいいのかよ先生ぃ。


そしてるなもの横顔をちょくちょく見ながら、可愛いな天使だなーと思いながら過ごしていた。日本史の授業では積極的に手を上げて、答えを言ってこの分野では誰にも負けないぞとアピールした。そして昼休みなった瞬間俺は智輝に近づいた。


「よかったら今日は一緒に食べないか?」


「珍しいな遥斗が俺を誘うなんて」


「ちょっと野暮用があってな。それでどうだ?」

 

「たまには男二人きりで食べるのも悪くないな」


「それじゃ一緒に食べるか」


ちなみに奏には智輝と一緒に食べることをLINEで伝えたんだが、なにかを疑っているような感じだったが。男同士だからなにもないということを懸命に伝えて、了承を得た。


俺達はここだと美少女達に睨まれながら、食べなきゃいけないから、中庭に移動することにした。決して、美少女達が怖いわけではないからね。睨まれながらだと食べにくいし、デートの話しもしなきゃいけないからな。だから移動した。


中庭に着くと、智輝は幼馴染みの愛妻弁当を開いた。くそ羨ましい。美少女の幼馴染みまでいて、成績も学年トップクラスサッカーでもエースという神様は何物もこいつ与えたんだ。神様のお気に入り説あるよな。


「それじゃいただきます」


「いただきます」


俺は昨日買った焼きそばとフレンチトーストを食べている。そして飲み物はもちろんマッカンだ。千葉に住んでいるなら、1日三本は飲まなきゃな。


「美味しそうに飲んでいるところ悪いが、それ飲みすぎると糖尿病になるぞ」


マッカンを飲むと病気になるって?こんなに甘く美味しいもので、病気になるはずないだろ。これこそ至高の逸品だぞ。むしろサイゼのドリンクバーに導入してもらいたいくらいだ。


「俺の体を癒すのに。俺の体を侵すわけないだろ」


「ダメだこいつ。絶対糖尿病になるだろね」


はぁーと智輝はため息をついた。マッカンのよさが分からないなんて、千葉県民失格だな。千葉県民のこれは血とも言えるものだぞ。もっと全国的に広がってもおかしくないだろ。


それから俺達は食べ終えて、本題に入ることになった。


「それでわざわざ人が少ないところに移動したってことはなにか聞かれたくない話があるんだよね」


察しがいいな。さすがモテているだけはある。空気で判断できるってことだろう。まぁそんなに重要なことではないが、美少女達に聞かれると面倒なことになるのは確かだからな。


「俺と果林と智輝でどっか行かないか?」


一時間ぐらい一緒にいて、途中で用事ができたと言って、帰れば問題ないだろう。そうすれば果林の望んだ二人きりのデートだ。男友達が少ないせいか、智輝は俺と出掛けることは断ることはほぼない。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る