エアポートの街灯.

 あの時飛び立った飛行士の名を忘れた

 「覚えているかい?まだ子供だった頃を」

 そう呟いたパイロットの名は

 いつかどこかでまた会うだろうと思い

 記憶の縁のChaosへと封入した

 だから今度は僕が医者になって

 死者の顔を取り出した

 あの時飛びだったパイロットの名を聞いたのはこれで二度目

 死者と顔向きする時だけだ

 だからよく覚えておこうと

 四角く切り取られた窓から

 ファインダーで写真を撮った

 その写真からはAshの香りと

 外からは街灯が点灯しており、同心円上に広がって

 忘れないと言うのは

 強い麻薬と同じくらいの酩酊が何度訪れても

 思い出せるChanceを記憶の獲得に費やし

 その引力によって運命は引き寄せられた

 これが場と言うものか……

 医者と言う立場になって思い出す

 あの日のEnnui.

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