011 幕間『私とジーク様のらぶらぶ魔法授業♡』(イリーナ視点)

「イリーナ、今日からお前の魔法のレッスンを始めたいのだが⋯⋯」

「はい、ジーク様! 私なんでもします!」


 望むところである!

 ジーク様の魔法の授業はきっとあの魔導書に書かれていたエッチなものに違いない!

 一見ごく普通の男女の営みだったが優れた魔法使いのスルことだ! 意味があるに決まっている!


 しかし、あんな辱めを与えられてしまえば⋯⋯♡

 もう私! ジーク様のお嫁さんになるしかないじゃないですか!


 まあ元からそういうつもりでここへ来たわけだけど⋯⋯。


 しかし先にジーク様と私の服を買いに行くという話になった。

 これは殿方は好きな女には着飾って欲しいという願望なのでしょう!

 その期待に私は応えなければ!


 しかしその道中が問題だった。

 現在の私の姿はワンピースだけのノーパンである。


 ジーク様に見られるのは構わないんだけど♡

 しかしそれ以外の男に見られるとか死んでもご免である!


 そこでジーク様が持ち出したのは透明マントなる魔道具だった。

 なんという事でしょう!

 これなら私のハレンチな姿を衆目に晒さずに済むという、まさに賢者の知恵!


 しかしそのような魔道具をたやすく生み出すジーク様⋯⋯この方が本気だったならば世界はどう変わっていらのでしょうか?

 私は自国の兵たちがこの透明マントを装備して他国を蹂躙する想像をした。

 ⋯⋯よかった、父も国も愚かなな人達ばっかりで。


 ジーク様の叡智がそのような些事に使われるのは大いなる損失だと私は思う。

 だってジーク様は平和を愛する素晴らしいお方なのですから。


 ちょっとエッチで私の裸に興味がおありのようですが、それも愛嬌というものです♡

 それに裸にだけ興味があるという訳ではないでしょう、そうでなければ服など買いには行かずずっと私に服など着せないでしょうから。


 となると⋯⋯どんな服でジーク様を悩殺したらいいのかしら♡

 そんな事を考えながら私はジーク様と一緒の箒の旅を楽しむのだった。




 街に着くとすぐに服屋へ行きました。

 私が擬装用の服を買った古着屋とは全く違うグレードの高いお店です!


 高そう⋯⋯ジーク様、お金持ってるのでしょうか?

 しかしジーク様にはお金の工面の当てがあるようでした。

 おそらく冒険者ギルドでしょう、優れた賢者であるジーク様ならいくらでも稼ぐことは可能でしょうから。


 その間に私は勝負下着を買わねばいけません!

 たしかにジーク様は私の裸が大好きなようです。

 しかし!

 殿方には脱がせる楽しみというものもあるのです!


 私は⋯⋯理解あるジーク様の妻になるのですから、たとえすぐに脱がされるであろう下着にも力を入れなければならないのです!

 そうこれは! ジーク様の妻となる私の義務なのです!


 そんなこんなで下着の物色だけで時間がかかり、ジーク様が戻ってきてしまいました⋯⋯。

 少々時間をかけすぎましたがそれでも良いものをバレずに選べてよかった。


 その後はジーク様の好みをさりげなく聞きながら様々な洋服を買いました。

 ⋯⋯でもやっぱりジーク様は私の胸が強調される服がお好みみたいですね♡


 いや本当に育って良かったです、私の胸は。

 私がジーク様と出会ったときなんかぺったんこでしたからね⋯⋯まあ6歳なので当然ですが。


 そういう胸の無い女を好きな殿方も居るには居ますが、どうやらジーク様は大きなお胸が大好きのようです。

 本当によかった!


「いい服を選んだのか?」

「ええまあ⋯⋯今夜にもお見せいたしますわ」


 そう2人の熱い夜に♡


 その後の夕食を作るのに昔使用人に聞いた妻の正装『裸エプロン』を試しましたが、コレがジーク様に好評のようです!

 でも見ないフリしているのにしっかり見ようとするジーク様って意外とシャイなお方ですわね♡

 今夜こそ、ハ・ゲ・シ・ク・なりそう♡


 しかしその夜も何もなかった⋯⋯くすん、ジーク様のいけず!




 そしていよいよ私の魔法の修行が始まりました!


「イリーナには何か強くならなければいけない理由があるのか?」


 昨夜ジーク様はそのような質問をしてきましたが⋯⋯。

 とくにありませんね、私に強くなる理由なんて。


 でも⋯⋯しいて言えば私のこの身体をジーク様以外の男から守るのに必要でしょうか?

 それに⋯⋯いずれジーク様には他に言い寄ってくるクソ女が居るかもしれません、それを懲らしめるのに力は必要になるでしょう!


 まあ私の魔法修行の目的なんてそんなものです。

 大事なのはこの修行を通して私が⋯⋯ジーク様にエッチな事されるのが目的なんですから♡

 な・の・で・!


「いや、イリーナの教育方針なんだが⋯⋯普通と俺独自の理論⋯⋯どっちがいいかな⋯⋯と?」

「ぜ⋯⋯是非! ジーク様のスペシャルコースでお願いします!」


「お、おう⋯⋯。 でもそっちは辛いぞ、絶対に嫌がると思うし」

「ジーク様の教えならこのイリーナ、どんな行為でも⋯⋯バッチ来い! ですわ!」


 きましたわー♡

 これからジーク様のエッチな授業が!

 私⋯⋯いったいどうなってしまうのか♡

 た・の・し・み・♡


「俺の授業は⋯⋯服を脱いで行う」

「⋯⋯⋯⋯え? 裸!?」


 ちょっと驚きました。

 しかしジーク様の説明には納得の説得力がありました。


 まさか全裸で野山を駆け回る少年時代をジーク様がおくられたとは思いもしませんでしたが⋯⋯。

 そしてそんな魔法理論が頭が固いだけの王都の魔法学校で認められなかったのも何となく仕方ないと認めざるを得ません。

 でも私は柔軟ですのでこのジーク様の理論を実践して、その教育方針の正しさを自ら実証して見せましょう!


 土の修行は泥パックでした。

 最近の貴族令嬢の間では密かなブームになっていましたが私はしたことが無かった。

 これはうかつでした! 私がジーク様の教えを他の有象無象の女に後れを取るとか許されません!


 でもコレ⋯⋯エッチですね♡

 身体が泥で固まってしまいましたが裸でいることには変わりありません。

 ⋯⋯ジーク様はこんな私を見て平気なのでしょうか?

 ジーク様も私と同様に泥で全身を覆っています。

 そして⋯⋯その男性の象徴は! 微動だにしません!?

 これは私に魅力が無いのでしょうか?


 いえ、ジーク様は指導中に欲情などしない立派なお方だというだけなのです!

 ⋯⋯そうですよね?


 しかし修行が終わり、私の乾いた泥が全身から剥がれ落ちた時! ジーク様の本能が!

 ジーク様のジーク様が! その殻をぶち破ったのです!

 私の裸を見て!


 安心しました。

 これならいずれ我慢できなくなったジーク様に私が押し倒されるのも時間の問題ですね!


 他の属性修行も全裸で行うものばかりです。

 たまにチラチラとジーク様が私の胸に注目しているのがわかりますが⋯⋯気づかないフリをするのが思いやりでしょうか?


 しかし夜の街中を裸で歩いたりとか。

 夜のベッドの上で燃えるような熱さを味わったりとか⋯⋯。

 私もう⋯⋯お嫁に行けませんわ♡

 ジーク様♡ せ・き・に・ん・取ってくださいね♡


 しかしそれも時間の問題だろう。

 こんな山奥の家に若い男と女が2人っきりで⋯⋯しかもこんなエッチな修行を続けていれば必ず結ばれるに決まっています!


 ここでは誰も私達の邪魔をする者は居ないのですから、じっくりたっぷりと楽しんで、来るべき時を待てばよいのです!


 そう、この時の私にはそんな驕りがどこかにあったのです。

 それを後悔する時が、すぐそこまで迫っているとも知らずに⋯⋯。

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