006 お買い物というデート、ただし履いて行くパンツが無い!
イリーナとの朝食が終わりひとごこち着く。
「イリーナ、今日からお前の魔法のレッスンを始めたいのだが⋯⋯」
「はい、ジーク様! 私なんでもします!」
「⋯⋯いや、その前に買い物に行こう」
「お買い物ですか?」
「ああ、イリーナがここに住むとなるといろいろと必要だろ? とくに⋯⋯服とか?」
イリーナの服は俺の作った天使のワンピースしかない。
しかもブラもパンツも履いていない。
これはさすがに可愛そうである。
「この服とても着心地がいいのに?」
「だとしてもだ、それ以外にも必要な物の買い出しが先だ」
「そうですね、わかりました」
こうして俺とイリーナは街に行くことにしたのだった。
この俺の住む山はこの国の地方都市ゲスコット領にある。
そして買い物に街まで行こうとすると移動だけでも大変な距離だ。
だが俺には魔女箒がある。
これでひとっ飛びのらくちんなハズだった。
問題はイリーナがノーパンだという事だった。
このイリーナを箒に乗せて飛ぶ?
そんなの下から丸見えではないか!
「あのジーク様、私はお留守番でも⋯⋯」
それも手だがそれだとイリーナの下着や服を俺が買わないといけない。
できるか!
「⋯⋯そうだな、これを使うか」
俺が出したのは透明マントだった。
「イリーナ、これを見ろ」
俺はそのマントを装着しイリーナに見せた。
「すごい! ジーク様の姿が消えました!」
「そうだ、これをイリーナに着せる。 そうすればノーパンでも大丈夫だ!」
ナイスアイデアである、さすが俺!
そして今度はイリーナが透明マントを着用した。
当然イリーナの姿は俺から見えなくなる。
「ほんとにジーク様には見えないんですよね?」
「見えないよ、さっき見ただろ?」
「じゃあ⋯⋯今私がどこにいるのか、わかりますか?」
「えっと⋯⋯」
俺が戦士だったら気配で読めるのかもしれんがあいにく賢者である。
魔法を使えばイリーナの位置を看破することはたやすいが⋯⋯。
俺は何となく周りに手を伸ばして探る。
すると⋯⋯。
ムニュっ!?
「あんっ♡」
「イ、イリーナ!!?」
どうやら適当に伸ばした手がイリーナに当たったらしい。
しかもこの感触は⋯⋯!?
むにゅむにゅ⋯⋯!?
や⋯⋯や・わ・ら・か・い!
それなのに押し返してくる、この幸せな弾力の正体は⋯⋯!
「すまん! イリーナ! そんなつもりじゃなかったんだ!」
俺はイリーナのおっぱいを揉んでしまった!
どうしよう⋯⋯。
「わかっていますジーク様。 これは事故ですよね、事故♡」
「そうそう事故だ、いやすまんイリーナ。 ははは⋯⋯」
とりあえずイリーナは許してくれたようだ。
そう思いながら俺は未練がましく揉んでいたおっぱいからようやく手を離したのだった。
「まあこれでその透明マントの性能は実証できたはずだ、行こうか」
「はい、ジーク様」
まあ見えないと言ってもイリーナがノーパンのままなのは変わらない事実だが⋯⋯。
それを他人に見られるのはまた別問題だからな。
そして俺とイリーナは同じ魔女帚に乗ることにした。
しかし問題があった。
俺の魔女箒は一人用で柄の長さがそんなにないのだ。
つまり俺とイリーナが同時に乗ろうとすれば必然的に密着することに⋯⋯。
ポヨンッ!?
俺の背中にイリーナの大きなおっぱいが押し付けられる⋯⋯!?
「イリーナ⋯⋯当たって⋯⋯!?」
「だって、こうしないと⋯⋯♡」
むにゅ、むにゅ!
イリーナも恥ずかしそうではある。
俺だけが恥ずかしい訳じゃないのだ。
こんどイリーナ用に調整した箒を作るか⋯⋯。
そう思いながらも今だけはこの密着飛行を楽しむのだった。
街に着くまでの1時間くらいずっとイリーナは俺の体を抱きしめて、そのおっぱいを俺の背中に押し続けたのだった。
⋯⋯帰り道も楽しみなのは秘密である。
そんな至福のような移動が終わり、俺たちは街に辿り着いた。
一応街中では徒歩で移動するがイリーナがノーパンなことに変わりない。
何かのはずみでご開帳になる恐れもあったので、引き続きイリーナには透明マントを着用したままだった。
でもはぐれると困るので俺とイリーナは腕を組んでいる!?
まるで恋人みたいに!
俺の肘に⋯⋯イリーナのおっぱいが当たっている!
「イリーナ、これは⋯⋯」
「仕方ないではありませんかジーク様♡」
「そう、仕方ない事なんだ、これは!」
まったく理解ある弟子で助かった!
「たしかあの辺に服屋があったハズ⋯⋯」
最後に来たのは1年前である、俺の記憶はぼやけていた。
でもあったその服屋は。
その店は女物の服を扱うオーダーメイドにも対応した高級店だった。
俺はイリーナにはいつも素敵な服を着ていてもらいたい。
だからこその奮発だった。
⋯⋯でも裸のイリーナもいいんだよなあ~!
まったくイリーナは罪深い女だぜ。
そんなくだらないことを考えながら俺は店員を呼ぶ。
「あの~、店の人?」
「はい、何でしょうか?」
その女店員はいぶかしげに俺を見る。
まあ当然と言えば当然だ、この店は女物の店で俺は場違いだからな。
「この女に適当に見繕ってくれ」
「この女?」
この時イリーナは透明マントを外してその姿を見せた。
まあ店員も驚いていたがそんな事はどうでもいい。
それよりも重要なのはイリーナの服だ。
「わけあってこの服しか持ってないんだ。 それじゃ困るから何着か頼む。 ⋯⋯あと下着も」
「よろしくお願いします」
そうイリーナも礼をする。
こういう仕種にイリーナの育ちの良さを感じる。
「わ⋯⋯わかりました!」
そう店員は対応してくれた。
「イリーナ! 欲しい服があったら遠慮なく買えよ」
「いいのですかジーク様?」
「ああ、金ならある」
でも一応確認しとくか⋯⋯。
「⋯⋯あー店員? どのくらいの金額になる?」
「そうですね。 5セットくらい購入していただくと⋯⋯このくらい?」
ゼロが多いな⋯⋯。
なんだこの値段? 女の服ってこんなに高いのか!
⋯⋯保険かけてて良かった。
「⋯⋯構わん、その倍くらいなら自由に選べ」
「かしこまりました! 素敵にして見せますね!」
遠慮のない店員だな、でもイリーナが綺麗になるなら良し!
「いいのですか?」
「ああ、イリーナが素敵ならそれでいい。 ちょっと俺は席を外すがいいか?」
俺は店員に確認する。
「ええどうぞ。 服選びは1時間はかかりますので」
そう店員に言われたので俺は金策に出かける事にした。
「じゃあまた後でなイリーナ」
「はいジーク様、お待ちしております!」
こうして俺が向かうのは冒険者ギルドだった。
5年前からほぼ世捨て人な俺だったが、唯一交流を止めれないしがらみがこの冒険者ギルドである。
なにせ山で狩ったモンスターの素材なんかを買い取ってくれるのだからな。
こうして俺は久々に冒険者ギルドへ向かったのである。
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