003 イリーナはその才能【おっぱい】を賢者に見せつけた!

「ほう⋯⋯この賢者ジーク様の弟子に⋯⋯」


 よっしゃ! 聞き間違いじゃなかった!

 これでこの美少女に魔法の授業と称してエッチな事できるぞー!


「その私⋯⋯お支払い出来るお金がありません! でも⋯⋯なんでもしますから、お願いします!」


 なんでもしますから──。

 なんでもしますから──。

 なんでもしますから──。


 その部分だけエコーがかかって聞こえた⋯⋯ような気がした。


 ⋯⋯つまりこの子を俺が自由にしてもいいのか?

 ただ魔法を教えるだけで!


「⋯⋯お望みとあれば、毎晩でもお相手しますから!」


 ⋯⋯毎晩? 添い寝かな?

 このイリーナを抱き枕にする⋯⋯最高だな!


「そうか⋯⋯!?」


 この時、俺は気づいてしまった!

 この子が俺のベッドルームに来る⋯⋯だと!?


 イカン! あそこには!


 俺の本棚にはギッシリ厳選されたエロ本のコレクションが!

 ⋯⋯もしもあんなものを見られたら、この少女に幻滅されるだろう。




『こんな本で満足してたんですか~? これだから彼女居ない童貞クンは♡』




 ⋯⋯この優しそうな美少女が絶対言わなさそうなセリフが、やけにリアルに脳内再生される。

 だがそうならない保証はない! むしろそうなる予感しかない!


「⋯⋯弟子にするならテストだな」

「テスト⋯⋯ですか?」

「そうだ、才能もないやつに付き合うほど俺は暇じゃない」


 そう、俺はクールを装う。


「とうぜんですね。 でもテストって何をすればいいのですか? 私は全然魔法が使えないのですが?」


 なんでそれでこんな辺鄙な所まで来て、俺なんかに弟子入りしようとしたのか⋯⋯。

 ちょっとだけ俺は呆れる、この子⋯⋯意外とバカなのか?


 まあいいテストだけはするか⋯⋯。

 不合格でもその後なんだかんだ理由でもつけて、この子を家事手伝いとかで居てもらおう。

 そして俺はとくに期待もせずにテストをすることにした。


 なにか時間がかかるのがいいな⋯⋯。


「とりあえず外に出よう」

「はい、わかりました!」


 俺はさりげなくこのイリーナを家の外に誘導する。

 イリーナには外でテストしてもらっている間に俺は部屋でお片付けだ!


 今からエロ本を隠さんとな!


 こうして俺たちは家の外に出る。

 イリーナには素足のままだとかわいそうなのでとりあえずスリッパを履かせた。


 その時一陣の風が吹く。


「きゃあ!」


 天使の衣のような純白のワンピースが大きく風で吹き上がった!


 ⋯⋯ノーパンだった!

 おへそまで見てしまった!


「失礼しました!」

「べつに構わん」


 俺は内心ドキドキしっぱなしだった。

 服だけ作ってブラもパンツも用意しなかった俺の大失敗!


 もしかしたらイリーナはすでに俺を変態スケベ野郎だと見破っているのかもしれん⋯⋯。

 弟子になってくれなかったら居なくなるのかな?


「あの⋯⋯テストって何をすれば?」

「そうだな⋯⋯」


 とりあえずイリーナには、まだ俺の弟子になる意志はあるらしい⋯⋯よかった。

 俺は収納魔法から魔法の箒を取り出す。


 俺のような賢者なら浮遊魔法も使えるが普通の魔法使いならこういう補助器具が無いとなかなか空が飛べない。

 その箒を地面に置く。


「見ろ」


 俺はまず手本を見せる。


「箒よ! 我が手に!」


 すると箒は宙を飛び、俺の手に飛び込んできた!


「すごい!」


 フフ⋯⋯このくらいで驚くとは可愛いな。


「このくらいで感心するな。 本来この箒で飛ばねばならんのだからな」

「え!? 私が空を飛ぶのですか!」


「そうだ! 飛行魔法を会得するには時間も才能も要る! しかし! この俺の作った魔道具『魔女箒』なら魔力さえあれば誰でも飛べるはずだ!」


 この世界の人間は多少なら誰でも魔力がある。

 それを使えば術を知らなくても、この箒のような魔道具は使えるだろう。


 そもそもこの世界で魔法があまり普及しないのは、富裕層の貴族共が魔法の習得方法を独占しているからだ!


 だから庶民が魔法を使おうとすれば俺のような才能あふれる天才が我流で覚えるか、メチャ高額な学費を払って魔法学校へ行く以外にない!


 ⋯⋯こんな箒のような魔道具がもっと普及すれば庶民でも魔法を覚える必要もなく、暮らしが豊かになるのだろうけどな。


 まあそんな俺の思想はこの国の利権を独占する腐った貴族共には到底受け入れられないものだったのだ。

 俺は魔法学校で様々な魔道具を開発したが、結局認められなかった。


 べつに金儲けが目的だった訳じゃない。

 世界に喧嘩を売ってまで俺は大金持ちになりたいわけじゃない。

 こうやってのんびり楽に暮らせればいいと思う程度の小物だ。


 だからこの魔女箒のような魔道具は今では自分で使う分にしか生産していない。

 でもこの魔女箒があればこのイリーナも飛べるのだ!


 ⋯⋯まあ才能があればな。


 これはけっこう必要魔力量が要求される道具だから無理かもしれん。

 その時は魔法のランプとか徐々にハードルを下げて試せばいい。


 それよりも問題は! このテストの間に部屋からエロ本を隠さねば!


「⋯⋯この箒をとりあえずこうやって手に手繰り寄せれば、まあ合格としておこう」


 できるかな? 出来ないよなあ⋯⋯。

 見たところこのイリーナは多少は魔力がありそうだが⋯⋯その制御なんか今まで練習した事など無いのだろう。

 これは這った事も無い赤子に歩けと言うようなテストだ。


「わかりました! やってみます!」


 元気のいい子だ。


「箒よ! 我が手に! ⋯⋯あれ?」


 フフフ⋯⋯いきなり出来てたまるか、でも俺の真似を必死で⋯⋯可愛いなあ。


「時間は十分にある。 好きなだけ試せ」

「はい、ジーク様!」


 そして俺には時間が無い!


 さりげなく俺はこの場を離れて⋯⋯自室へダッシュした!

 さあ今のうちに片付けないと!


 問題はこの本棚ギッシリのエロ本である!

 とりあえず全て魔法で生成した箱に入れておくか⋯⋯。

 これを捨てるなんてとんでもないからな!

 これだけ集めるのにどれだけ時間と金がかかったことか!


 俺はエロ本を仕舞った箱に魔力封印テープで封をした。

 いや普通のテープの在庫が無かっただけなんだけどね。


 しかし⋯⋯この空っぽになった本棚、いかにも不自然だ⋯⋯。

 俺は倉庫に仕舞ってたもう暗記して読まなくなった魔導書を入れておくことにした。

 こうしとけば後でイリーナが読むだろう⋯⋯たぶん。


 このエロ本はいずれ地下室でも作って、そこに隠そう。

 そう俺が思った時だった。


「きゃああああ──!?」


 外からイリーナの叫び声が!


「イリーナ!」


 まさかモンスターが!?

 ここは結界で安全なハズなのに!


 俺はあせって外に出た、すると!

 そこには箒に跨りしがみついて空を舞うイリーナの姿が!


「イリーナ! 飛んだのか?」


 あの魔女箒であそこまでの速度を出せるとは⋯⋯イリーナは俺が思った以上の魔力持ちだったようだ。

 ほんと俺⋯⋯イリーナのおっぱいしか見ていなかったようだ⋯⋯。


 だがあのままでは危険だ!

 まったく制御出来ていないようだ。

 いずれ落ちるぞアレは!


 俺は自分で飛行魔法を使い、イリーナを追跡する!


「イリーナ! 絶対手を離すな!」

「ジーク様──!」


 とりあえず魔女箒は真っすぐ飛ばずに、くるくると周回軌道になっているのが救いだな。

 真っすぐ飛ばれると追いつけん!


 俺はなんとかイリーナを捕獲しようとしたその時だった!


「きゃっ! ジーク様!!?」

「イリーナ! 手を離すな!」


 なんとイリーナが真っ逆さまになった。

 ようはイリーナを下にして箒はそのまま飛んでいるわけだ。


 原因は重心位置だろう。

 イリーナは俺よりも重心の位置が高いのだ、大きなおっぱいのせいで!

 だから逆さまの態勢で安定してしまったのだ。


 それだけだったらよかったのだが⋯⋯。

 今のイリーナは天使のワンピース姿だからな、しかもノーブラノーパンの。


 そのせいで箒に跨って逆さまになり、逆てるてる坊主みたいになっている。

 服で顔が隠れているが、おっぱいがまる出しだった。


「いやあああ──!? ジーク様!」

「イリーナ! 俺が受け止める! そのままで耐えろ!」


 俺はイリーナの軌道を読んで立ちふさがる!

 このままイリーナを空中キャッチだ!


 俺とイリーナはかなりの速度で上下逆さまにぶつかった!

 けっこうな衝撃だったはずなんだが⋯⋯まったく痛くない。

 それもそのはず⋯⋯。


 受け止めた俺の顔はイリーナの豊満なおっぱいが押し付けられていたからだ!

 この極上のクッションのおかげで俺達はノーダメージで済んだのである。


 俺はしばし、このリバースパフパフを堪能する。

 俺の顔は今だらしないだろう。

 イリーナの顔がめくれた服で隠れているからバレないのが救いである。


「⋯⋯よし、このまま降りるぞ」

「⋯⋯⋯⋯はい」


 地上までゆっくりと降下する、少しでも長くこのパフパフを堪能し続けたいからだ。

 そして地上に降り、彼女を無事に保護できたと安心した俺だった。


「その⋯⋯たいへんご迷惑を⋯⋯」


 イリーナは羞恥心で真っ赤だった。


「なに気にするな、このくらいの事故よくある事だ」


 いや無いな。


「しかしそれよりも! すごいじゃないかイリーナ!」

「すごい?」


「ああ、制御こそできていないがあの速さを出せるイリーナの魔力はすごい! 才能がある!」

「才能? 私に魔法の才能が!」


 そう喜ぶイリーナはさっきの醜態を忘れて喜ぶ。

 でも俺はしっかり覚えているよ、イリーナのおっぱいを。


「イリーナ! 俺が君を魔法使いにしてやろう!」


 こうしてイリーナは俺のテストをクリアしたのだった。


 べつにクリアしなくても良かったんだが、弟子にした方がなにかと都合が良いから最上の結果である。


 そして俺は確信した。

 やはりイリーナのおっぱいは最高だと。


 このイリーナに魔法を教えながらここで暮らす、そんなこれからの生活を俺は夢見るのだった。

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