16
「ねえ、お風呂ってどう思う?」
私の質問にみんなの手が止まる。
「最近急に積極的になったよね。」
「積極的にはなってないけど。」
「お風呂でやったの?」
「やってないけど。」
「私嫌いじゃないけど。」
「私もいいと思う。」
「どういう展開でお風呂になったの?」
私は前回の桃とのことを話した。主には、シャワーの中でしたキスがあまりにもエロ過ぎて良かった、っていう話。
「うーわ。それ、桃お預け食らったようなもんじゃない?」
「自分からしかけといて?」
「それ私も今度やろ。」
「流石にそれは無いね。湯船浸かってとかはあるけどさ。」
「でも、その時間無い中のやつだったから尚更良かったんじゃない?」
今日も飛び交う女子トーク。地味に4人集まった夕食は久し振りだった。今日は大盛りのサラダとパエリア。料理好きの麗奈が久々に揃うからと腕を奮ったらしい。
「てか、その後一緒に仕事だったんでしょ?我慢とか出来るの?」
「そりゃ、ちょっと気まずい見たいのはあるけど、仕事は仕事だからね。」
「桃、柚葉のこと見る度に思い出してたんじゃない?」
「私だったら仕事終わったらまた行くね。」
「え、まさか行ってないの?」
「行ってないよ。」
「うわ。嘘でしょ。」
「桃、今絶対抜いてるよ。」
「悠梨亜、それはダメ。」
「いや、悠梨亜の言う通りだね。」
「やめてよ、本当に。」
「柚葉も、桃も分からんわ。」
「なんで桃も誘わなかったんだろうな。」
そういう関係のお友達なんて本来もっとドライな関係だと思っていた。一緒にお風呂に入ることさえ信じられないと思っていたのだから。
桃と一緒にいると、忘れかけていた若い気持ちを取り戻してくれるような感じさえする。だから、キュンとするんだろうし、エロいって感じるのだろう。だけど桃はそうじゃないのかもしれない。少なくともこれ以上になりたいとは思っていないのだと思う。なぜなら最初の段階で正規ルートを選ばずに、あの日私の一晩を賭けて誘ってきたのだから。
「柚葉、合コンどうする?」
「もう行きたくない。」
「熊が悲しむよ。毎回柚葉の好きそうな人連れて来てくれてるんだから。」
「あんなところ行っても、やっぱり男なんて出来そうに無いもの。」
「年下に満たされちゃってるもんな。」
「年下いいな。私も年下捕まえたい。」
「熊に頼もうか。」
みんなが次の合コンの話をしている中、私は何となく桃からの誘いを期待したりしてしまっていた。恋人でもなんでもないのに、執着しているみたいでまた自分が嫌だった。
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